伊坂幸太郎さんが書いた「死神の精度」(文芸春秋)を読み終わりました。
不慮の事故で死ぬことになった(本人は知らない)人のもとに主人公の死神が人間の格好で現れ、その人が死にふさわしいかを調査するという話(を集めた短編集)。
死神は人間ではないので、食事・睡眠の必要はないし殴られても平気で、素手で人を触るとその人は気絶してしまう・・・ハードボイルド小説の主人公をパロっているようなスーパーマンという設定になっています。
死神の生きがい(?)は、音楽を聴くことで時間さえあればCDショップに入り浸っています。死神がいかに音楽(作中では「ミュージック」と表記される)を愛しているか、「ミュージック」が第二の主人公であるかのように全編に渡りその描写が続きます。
どの短編もミステリとしての結構が上手に組まれていて、伏線とオチがきれいに調和しています。私が一番気に入ったのは「死神と藤田」でオチを読んだとき、ニヤリとさせられるような小技がきいていました。
最後の短編「死神と老女」は全編のマトメのような位置づけになっていますが、ちょっと強引というか予定調和がすぎるというか、無理にマトメなくてもよかったのでは?と思いました。ただ、「死神と老女」の舞台である眺めのいい床屋については、「行ってみたい」と思わせるほど素敵な描写がなされていました。
不慮の事故で死ぬことになった(本人は知らない)人のもとに主人公の死神が人間の格好で現れ、その人が死にふさわしいかを調査するという話(を集めた短編集)。
死神は人間ではないので、食事・睡眠の必要はないし殴られても平気で、素手で人を触るとその人は気絶してしまう・・・ハードボイルド小説の主人公をパロっているようなスーパーマンという設定になっています。
死神の生きがい(?)は、音楽を聴くことで時間さえあればCDショップに入り浸っています。死神がいかに音楽(作中では「ミュージック」と表記される)を愛しているか、「ミュージック」が第二の主人公であるかのように全編に渡りその描写が続きます。
どの短編もミステリとしての結構が上手に組まれていて、伏線とオチがきれいに調和しています。私が一番気に入ったのは「死神と藤田」でオチを読んだとき、ニヤリとさせられるような小技がきいていました。
最後の短編「死神と老女」は全編のマトメのような位置づけになっていますが、ちょっと強引というか予定調和がすぎるというか、無理にマトメなくてもよかったのでは?と思いました。ただ、「死神と老女」の舞台である眺めのいい床屋については、「行ってみたい」と思わせるほど素敵な描写がなされていました。