蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

路上の人 3/5

2005年09月28日 | 本の感想
堀田善衛さんが書いた「路上の人」(新潮社)を読み終わりました。
奥付を見るとこの本が出版されたのは1985年4月。古本屋で入手したわけではなく、出版当時に新刊で買ったものの1ページも読まずに20年間、私の実家の本棚のすみに置かれていたました。今年の夏、帰省したおり、なにげなく持ち帰り読み始めました。

故郷を飛び出して以来ヨーロッパ各地をさまよい歩くうち、とあるきっかけから法王の大秘書官の道連れとなった主人公ヨナの目を通して、カトリック教会や異端カタリ派を描く歴史ものです。この手の本にありがちなのですが、作者はカトリック教会を厳しく批判しカタリ派の方をえこひいきしています。

描写は簡潔で、説明的な部分が少なくて、読者を選んでいるような感じがちょっと気になりましたが、ストーリーが展開しはじめるとけっこう面白く読めました。
この感想を書く前に「路上の人」で検索したところ、去年、徳間書店から復刊したようで、今でも手にはいるようです。
コメント
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