蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

桃色トワイライト

2005年09月08日 | 本の感想
三浦しをんさんが書いた「桃色トワイライト」(太田出版)を読み終わりました。

月曜日のお楽しみは、「ボイルドエッグ」という出版エージェント(?)のサイトに連載されている三浦さんの読書エッセイの更新です。最近、更新が火曜日になったりお休みしたりすることが多いのがちょっと残念ですが、毎回楽しく読める内容です。
この本はその連載をまとめたもので、確か4冊目か5冊目です。(私が買って持っているのは「人生激場」(新潮社)と「乙女なげやり」(太田出版)。ちなみに、読んだ後も売らないで“持っている”ということは何度か読み返しても笑えるからです)なお、タイトルおよび少女マンガちっくな表紙と本の内容はほとんど一致していません。

いちおうサイトでは読書エッセイというふれこみですが、読んだ本の感想とかはほとんどありません。大半は三浦さんの友達や家族の日常を面白おかしく脚色した話です。(脚色しているかどうかはわかりませんが、そうとしか思えないほど現実離れしたおかしさがあるのです)

三浦さんの男性の好みは非常にはっきりしていて、かつ、思い込みは極めて激しいみたいです。今はオダ○ョー(この本の途中からなぜか伏字になった)に夢中だそうで、彼の出世作(?)仮面ライダークウガのDVD集、さらに大河ドラマの「新選組!」のDVD集もすべて取り揃え、日々友達への布教(?)活動に勤しんでいるとか。
「新選組!」はともかく、クウガをすべて買い求めてしまったというのがすごい。(余談ですが、私もクウガは(子供ではなく)奥さんにつられてTV放映時にみていました。終盤のストーリー展開は、この本でも述べられているように子供番組のそれではなく、毎週楽しみにしていました)

三浦さんのエッセイとそれ以外の著作との落差が相当に大きいことは、よく指摘されますが、このお気楽エッセイシリーズの中でも、時として思考の深さとか観察の鋭さみたいなのが感じられることがあります。この本では「源平布引滝」という文楽とか石森章太郎のマンガの解釈などにそれを感じました。(私は文楽については全く知識がなく、斯界では当たり前の解釈なのかもしれませんが・・・)
コメント
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