僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

若く見られる ということ

2011年01月23日 | 日常のいろいろなこと

これまでも何度か書いてきたけれど、僕は実年齢よりかなり若く見られる。

といっても、決して 「若々しい」 というカッコいい意味ではない。 ただ小柄で童顔だからそう見られるだけのことである。 そしてこれにちなむ話は、長い人生の中で枚挙に暇 (いとま) がないほどだ。 ほとんど僕にとっては迷惑な話ばかりである。

高校生の頃、体育の先生 … 丸こい顔をしていたので陰で  「ダルマ先生」  とあだ名をつけていた先生が、僕の顔を見るたびに、「お前を見ていたら、うちの子供にほんまによう似とるなぁ、といつも思てるねん」 と目を細めていた。 そして、ある日ダルマ先生は、僕に似ているという子供の写真を持ってきた。 「これがうちの子供や。 どや、よう似とるやろ」 とうれしそうに言いながら見せてくれた写真は、生後6ヶ月だという女の赤ちゃんだった。 オカマか、私は。 しかも、ゼロ歳児だなんて…  

これがケチのつきはじめだった。 

大学生の頃、よくパチンコ屋へ出入りした。
勉強もせず、パチンコばかり打っていた時期があったのだ。
機嫌よくパチンコを打っていると、店員が来て、僕の耳元で、
「あんた、まだ18歳になっていないんと違う…?」 と、ささやくように言う。
僕はムッとして、「もう二十歳を過ぎてます!」 と店員を追い払うのであった。
そんな経験が、あちらこちらのパチンコ店で、一度ならず二度三度…。

同じ頃、友だちから、「成人映画を見に行こう」 と誘われても、映画館の入り口で、
「18歳未満はダメよ!」 と言われそうな気がして、行く勇気がなかった。
本当は、ものすごく見たかったのになぁ…。 とほほ。

僕が結婚したのは22歳の時であった。
結婚式当日、式場で 「新郎」 の部屋に入ろうとしたら、係の女の人が、
「あ、新郎様のご家族ですか…?」 と声をかけてきた。
「いえ、違います。 僕が、その…新郎、ですけど…」 と言えば、相手は目を丸くして、
「へぇぇぇぇぇ~?? 新郎さんでしたか? …ほんとに?」
「ほんとうですがな」 なんでそんなことでウソをつかなければならんのだ。
「へぇぇぇぇぇ~?? そうでしたかぁ。 可愛らしい新郎さんですね~」 だって。 
やめてよ、そんな言い方 … と心の中で抗議する僕であった。

そして家庭を持ち、僕は一家の主 (あるじ) になった。
子供も2人でき、4人家族の、押しも押されもせぬ所帯主である。
ある日、ピンポーンとインターホンが鳴った。
たまたま玄関の近くにいた僕が、戸をあけると、見知らぬ年配の男が立っていた。
「○○新聞を取ってほしいんだけど」
と言う。 つまり新聞の勧誘だった。
しかし、その男は、そう言ったあと、玄関から家の中をのぞきこみ、
「あのね。 だれか家の人はおらんの…?」 と聞いた。
「家の人…?」 僕は意味を量りかねて、問い返した。
「そや。 家の人や。 だれか家の人はおらんのかいな…」
そうか。 要するに、僕では話がわからないだろ…という意味である。
「家の人って、僕が家の人だけど」 と僕が言うと、
「へ…?」 と男は僕の頭の先からつま先まで、じろじろと見た。
「あんた、主人か…?」
「はぁ。 主人だけど…」
男はキツネにつままれたような顔で、
「まあ、ええわ」 と言い残し、そのまま隣家のほうに歩いて行った。

何が 「まあ、ええわ」 やねん。 無礼者めが。

ある時は、同じような新聞の勧誘が来て、出てきた僕を見るなり、
「あ、○○新聞やけど、お母さんかだれか、おらんか…?」
と言った男もいた。 こんなとき、僕のプライドは著しく傷つけられる。
いっそ、その男に
「お母さんは川へ洗濯に、お父さんは山へ柴を刈りに行っております」
と言ってやればよかったな~、と、後になってから思ったり。

外国でも、しょっちゅう若年者と間違われる。 
まぁ元々日本人は若く見られるので、僕など当然といえば当然かもしれないが。
ラスベガスでは、あるホテルのカジノの中を歩いていると、
「ヘーイ、カモ~ン」 という声が聞こえた。
見ると、そこはキッズコーナー、つまり子供専用の遊び場所であった。
金髪の兄さんが僕に向かい、ここへ来て遊べ…とにこやかに手招きするのである。
冗談で言っているような雰囲気ではなかった。 
あまりといえばあまりではないか。 ぐすん。 

万事がこんな調子である。
若く見られるなんてロクなことがない…
というのが、これまでの経験から得た僕の正直な感想である。

 

 

 

コメント (2)
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