僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

いのちが誕生する瞬間

2009年07月31日 | 日常のいろいろなこと

コメント欄で皆様からお祝いのお言葉を賜り、感謝しております。
また、ブログを読んでいただき、携帯にお祝いのメールを送ってくださった皆様にも、深くお礼を申し上げます。 

赤ちゃんは、生まれて3日目になりますが、母子共に元気でやっています。ありがとうございました。

  ……………………………………………………………………

僕には2人の子どもと2人の孫がいるけれど、4人とも、生まれた瞬間というものを知らない。

たとえば、長男が生まれたときは、職場に電話がかかってきて、妻の長兄のお姉さんから「生まれましたよ。男の子です」と連絡を受けた。

次男が生まれたときも、妻の姉からやはり職場に電話があった。
「生まれましたよ。男の子です」

「はい。ありがとうございます。早速病院へ行きます」
そう言って、早退して大阪市内の病院へ直行する。

2人の子の誕生の時は、いずれもそのパターンだ。

妻の実家は大阪市内である。
出産が近づくと、妻は実家のそばに住む兄や姉たちの家でお世話になっていたのである。

そして歳月が流れ…

孫のモミィが生まれるという日は、仕事を終えたその足で電車に乗って病院へ行き、すでに待機していたみんなといっしょに出産を待った。今度こそ、「その瞬間」に出会える…と期待していた。しかし、陣痛が起きてから数十時間経っても、なかなか生まれず、深夜に近づいてきたので、電車のあるうちにと、僕と妻は病院を離れ、帰宅した。すると…

帰宅して家のドアの鍵を開けていると、長男からメールが入った。

「今、生まれました」
これが、モミィの誕生を知った瞬間である。

ソラが生まれた時はどうだったのか…?
あまりよく覚えていない(ソラよ、許せ)。
たぶん仕事中だったので、その時も僕は病院にいなかったことは間違いない。(病院にいたら、覚えてるわなぁ)

だから、生命が誕生する瞬間、というのを、僕は知らない。

しかし、今回、次男のお嫁さんは、いろんな事情から、帝王切開で出産することになった。この場合、出産時間は、正確である。

「29日の午後1時過ぎからだそうですが、たぶん遅れると思います」
とお嫁さんが事前に知らせてくれていた。

僕も、これまでと違って仕事を持たない身なので、時間が自由だ。

僕と妻はその29日、1時過ぎに病院に着いた。

間もなくパパになる次男と、高知のご両親は先に来ていた。

お嫁さんは、すでに分娩室に入っていた。午後1時にそこへ入り、1時半過ぎぐらいから帝王切開が始まる、ということだった。それが始まったら、ものの10分ぐらいで出産するらしい。

分厚い扉の外の廊下で、次男(夫でも帝王切開の場合は分娩室には入れてもらえないそうだ)と、高知のご両親、そして僕らの計5人は、息を潜めて赤ちゃんの生まれるのを待った。

間もなく…オギャーという声が漏れ聞こえてきた。

「あ、生まれた、生まれた」と、僕が叫ぶ。
みんながいっせいに僕を見る。

しかし、その泣き声は、となりの新生児室の赤ちゃんが泣いている声だった。あぁ、相変わらずそそっかしいボクである。

「ちょっと早過ぎるもんね…」と、一同、肩の力が抜ける。

また、扉の外で静かに聞き耳を立てる我ら5人。

午後1時50分。

扉の一番近くに立っていた高知のお母さんが、急に
「あ、あ、生まれた~!」と言って手をたたいた。

「え…?」
「シーッ!」

一同、息を止め、固唾を飲む。

…聞こえてきた。はっきりと聞こえてきた。

扉の向こうで、元気な赤ちゃんが泣いている声が。

猛烈な泣き方である。
今度は間違いない。
生まれたのだ。

ぱちぱちぱちぱち。

「よかった、よかった」と喜び合う僕たちだ。
高知のお母さんも、お父さんも、涙ぐんでいた。

次男も、ホッとした様子であった。

もちろん、僕たち夫婦も大喜び。
「コングラチレーションズ!」
…英語はもうええか。


そんなことで、僕は初めて生命が誕生する瞬間というものに接した。
扉1枚の向こうで、たったいま、新しい生命が誕生したのである。

人は、その一生を、こういう形でスタートするんだなぁ…。

なかなか、感慨深いものがあった。


それにしても、生まれたばかりの赤ちゃんの産声というのは、なんとまあ、けたたましいものであろう。

うんぎゃぁ うんぎゃぁ うんぎゃぁ うんぎゃぁ 

ものすごい声量であり、肺活量である。

モミィは肺が弱かったのでほとんど泣かなかった、という。
ソラはへその緒が首に巻き付き、これも泣かなかったという。

それにくらべて、この赤ちゃんはものすごい勢いで泣いていた。

これはきっと心肺機能が強そうである。


しばらくして、看護師さんが、赤ちゃんを抱いて見せに来てくれた。
顔はしわくちゃだが、なんとなくソラやモミィに似ている気がする。

おおきなおヘソと絆創膏の下に、小さなおちんちんがついていた。

うむ。
心肺機能の強い男の子か…?

これはぜひ、マラソンランナーに育てたいものである 

…そんなことを考えていたとき、

「抱っこ、しはりますか?」と看護師さんに促され、次男がまず抱き、次に高知のお母さん、僕の妻と、次々に赤ちゃんを抱っこしたが、高知のお父さんは「怖いけ、だめじゃ」と逃げて行った。

僕も動物園のコアラぐらいなら抱っこしてやれるが、いま生まれたばかりの赤ちゃんを抱くなどとは、おそろしや、おそろしや…

「抱っこ、しはりますか?」と言われたが…

僕も「怖いけ、だめじゃ~」と同じように逃げた  

 

 

 

 

 


コメント (6)
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