昨日書いたとおり、6日は午前中に大手前病院へ行き、午後から府庁で会議があったのだが、夜は次男夫婦から妻と2人でレストランへの招待を受けていた。1月の僕の誕生日と2月の妻の誕生日祝いを兼ねて、近郊にあるベーカリー・レストランに連れて行ってくれるという。
会議を終えて谷町4丁目から地下鉄で天王寺まで行き、近鉄南大阪線に乗り換えて藤井寺まで帰ってきたら、雨が降っていた。僕は傘を持っていなかったので、次男夫婦が車で駅まで迎えに来てくれていたのは、とてもありがたかった。
途中で妻を乗せ、4人でレストランに向かった。
次男夫婦は、僕らの家からそう遠くないマンションに住んでおり、時々4人で食事をするけれど、今年になってからはこれが初めてである。
その車の中での会話ですが…
「雨が降るとは思わんかったなぁ。傘も持っていなかったし」
と僕が言えば、運転席の次男が、
「あの、大きい傘は持っていなかったの?」
と笑った。
「大きい傘…? あぁ~ん…? なんでそんなこと、知ってるの?」
と、僕は不思議に思って次男に尋ねたら、
「ブログに書いてあった」と彼は言った。
なるほど…。親骨80センチで自転車ごとすっぽり覆われてしまうような大きな傘の話を、先日のブログに書いたもんな~。次男はそれを読んでおったのだ。
「ところでお父さん。今日はどこかへ出張やったんですか?」
と、今度は助手席にいた次男のお嫁さんが、僕に尋ねた。
僕はふだん自転車通勤なのに、今日は電車で駅へ帰ってきたからである。
「そう、出張で…」と僕が答えようとしたら、次男が、
「大阪府庁で会議があったんや」と先に答えた。
その日の朝のブログに、今日は病院と府庁へ行くと書いたのを読んでおったのだ。
どうも、何から何まで把握されてしまっている。
「ところでお父さん」と、また長男のお嫁さん。
「今日はベーカリー・レストランですけど、お父さんは洋食とかパンが嫌いだと聞いたので、今日の場所はどうかなぁ、と、ちょっと心配しているんですよ」
そんなふうに言った。僕は首をひねって、
「パンが嫌い? 洋食も嫌い? そんなことないっすよ。毎朝パン食べてるし」
と、打ち消すと、
「お父さんのブログに、洋食は苦手って書いてあったというので…」
…と、またブログの話である。
これも、次男が僕の文章を読んで、そう伝えのだろう。
2月3日のブログ「中之島倶楽部」の中で、僕は、
「いつも居酒屋ばかり行っているので、こんなお上品な洋食が出る店は不得手で、テーブルマナーにも、うとい…」と書いた。
次男はそれを読み、僕が洋食のレストランは嫌いなのかと思ったという。
でも、それは違う。僕はパンも好きで、洋食も好きである。
だいたい、食べ物に好き嫌いはない。
しかし僕たちが次男夫婦を食事に誘うときは、すべて和食であることは確かだ。
僕みたいなお酒好きは、どうしても、お寿司やお鍋や会席風を選んでしまう。
「だから、あれはね…」
と、僕は真意を説明。
「レストランの洋食はナイフやフォークを使うのが何となく面倒で、慣れていないというだけで、嫌いとはまた違うんや。食べ物自体は、好きやから」
こんな会話を車の中で交わしていたわけだけど…
ブログというのは、近況を克明に映し出す鏡でもある。
次男はずっとこの「のん日記」を読んでいるようである。
次男のお嫁さんも、たいていは読んでくれているので、
「このごろ体調はどうですか? 耳鳴りの機械は、つけてはるんですか…?」
と、食事中に、いろいろと聞いてくれる。
だから、しばらく会っていなくても、次男夫婦は、ブログを通じて、僕の日常生活をよく知っているので、僕も物事の背景を一から説明することもなく、会話の流れもスムースに進んで行く。
モミィとソラの親である長男夫婦も、もちろんこのブログを読んでくれている。
この間も、長男のお嫁さんは、
「この間のブログには、退職のあとも仕事を続けようか…って書いてましたね」
勤務先の退職後の再雇用制度のことを取り上げた1月29日の「近い将来の話」を読んでくれた上での会話だった。
「う~ん。まだ、どうするかは決めていないけどね」
「退職されたら、ずっとモミィやソラと遊んでもらえると思ってましたけど」
…とまあ、こんな具合に会話が交わされていく。
こうしてみていくと、
~ 離れて住んでいる親子で近況や話題・情報が共有できる ~
今まで思いもしなかったこんなブログの効用というものを痛感する。
さて、そんな次男も去年からブログをやり始めている。
http://andk-nikki.seesaa.net/archives/20070716-1.html (引越し前)
http://sanbongawa.blog31.fc2.com/ (引越し後の現在のブログ)
自分の仕事のことだけをテーマにしたブログである。
それを読むと、今度は僕と妻の方が、彼の日ごろの仕事ぶりがよくわかるので、なかなか面白い。ふ~ん、仕事、頑張ってるんだ…と感心したりする。
しかし子供の頃はあんなに作文が嫌いだった子が、大人になって自分のブログを持つようになるとは…信じられないねぇ、と妻と言い合って笑ったりしている。
次男のお嫁さんも、ブログをしていたが、今は途切れてしまった。
http://sanbongawa.jugem.jp/
以前の仕事に関することを書いていたものだから、今はもう…と言う。
「せっかくだから、また再開すれば?」と僕がビールを飲みながら提案すると、
「でも、私の書いた私の日常なんか、誰が読むんですかぁ?」
と笑った。
でも、ブログって、言ってみればほとんどその人の日常描写である。
だから、あまりそういうことは気にしなくてもいいのだ。
ブログは、書くことで自分の気持ちを整理もできるし、自分を客観視もできる。職場の人たちには内緒で仕事のウサ晴らしもできる。また、続けているうちに自分でも思わぬ展開とかメリットとかを生むこともある…。
「だから、ぜひまた、やったらいいと思うよ」
そんなことを言いながら、ひとときを過ごした。
ベーカリー・レストランでは、料理のコースの合間合間にウェイターが、さまざまな種類の焼きたてパンを運んできてくれ、パン好きの妻が喜んだことはもちろんだが、僕もこれほどパンをおいしいと思ったことはなかった。
では、改めまして…
麻紀ちゃん、一昨日はどうもご馳走様でした。
またどこかへ連れて行ってください。
僕に、嫌いなものは何もありません(笑)。