僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

 最北端や最南端の話

2008年02月13日 | 旅行

      日本最北端 宗谷岬(1969年撮影)


昔から「日本最北端」とか「本州最東端」「本土最南端」とかいう言葉に弱い。
地の果て…というイメージが、何とも言えない旅情をかもし出すのだ。

このうち、自転車旅行では日本最北端の宗谷岬と本州最北端である下北半島・大間岬、そして本土最南端(本土…いまでもこんな言葉使うのかな?)である鹿児島県の佐多岬へ行ったことがある。

下関にある本州最西端は、すぐ近くを自転車で通過したのに、気がつかず、未だに悔しい思いが残る。

本州最南端は、和歌山県の潮岬にあり、これは近畿圏なので、何度か行ったことがある。

 

    
 下北半島大間崎。 「本州最北端の地」とある。(69年)

 

自転車と言っても、鹿児島県大隈半島にある「本土最南端」佐多岬には、厳密に言えば最後まで自転車で行くことはできなかった。
佐多岬に近づいてくると、ある地点から岬の先端部までは、佐多岬ロードパークという車の専用道路となっており、そこから先は自転車も歩行者も行けないのだ。僕はそのとき、仕方なく自転車を置いて、バスに乗って岬まで行った。これがその時の写真です。上の写真の約10年後です。
 (古い写真ばかりで恐縮です。古い人間ですから)



    

 

自転車やバイクでこうした「最○端めぐり」をするマニアは多い。
僕はマニアというほどではないけれど、やはりナントカ最○端と言われたら、ブルブルッと身震いして、あぁ…行ってみたいなぁ~と憧れる。

以前、オーストラリアのゴールドコーストへ家族で旅行をしたとき、行く前に、オーストラリアに詳しい職場の後輩から、
「のんさん。バイロン岬へ行けばとてもいい景色が見られますよ」と言われた。
「なんや、バイロン岬って? あんまり聞かへんな」と僕は気乗りしなかったが、
「そこはね~。オーストラリア最東端で、雄大な海が広がっています」
そう言われたとたん、
「なに? 最東端…? う~む。これは、…ぜひ行かねばなるまい」

現地の旅行社の人は、「バイロン岬へ行こうと思ってます」という僕らに、えぇ~?っという顔をして「何もありませんよ、あんなところ」と言われたけれど、僕たちは「いいんです、いいんです」と言い、免許取りたてホヤホヤの長男が運転するレンタカーで、地図を見ながら、「カンガルーに注意!」という標識を横目に延々と単調な景色が続く道路を走り、バイロン岬にたどり着いた。
そこは、たしかに地の果てという雄大な海の風景以外には、見事に何もないところだった。それでも、ここがオーストラリアの東の端か。これより東はないんだな~と、わけのわからない感慨にふけり、満足した僕なのであった。



  
   
バイロン岬。 写真は免許取りたて運転手 … 長男です(97年)。 

 

こんな感じで、想像を広げていくと、世界で最も広い大陸であるユーラシア大陸の最北端とか、最南端とかに立てば、ずいぶんロマンティックだろうな~という夢が膨らんでくるのである。まあ、単に「この大陸で自分が今、最も南にいる」というだけのことだが、それでも大きな喜びである。しかし、なかなか達成するのは難しい。沢木耕太郎の「深夜特急」の旅の終わりはユーラシア大陸最西端のポルトガルの岬であった。
ポルトガルなら、この先、ひょっとして行ける…かも知れない。
だが、最東端と最北端はロシアにある。ここを訪れる難易度は高い。というより、たぶん死ぬまで行かないだろう。ロシアという国は、何となく苦手である。

そこで、最後に残されたユーラシア大陸の最南端はどこなのかと言えば…

何年か前、僕は朝日新聞のシンガポール特派員の記事を読んで愕然とした。
野島ナントカさんというこの特派員も「最○端」が好きで、それと聞くと足が向くマニアであった。その人が、「シンガポールに2年もいたのに気付かなかった」と述べたことは、なんと、すぐ対岸のマレーシアのジョホール洲に「ユーラシア大陸最南端」があるという事実だった。それを知って、彼は早速出かけ、ピアイ岬と呼ばれる最南端の地を踏んだ。
…そのことを、「特派員メモ」という朝日新聞の小さなコラムに書いていた。
うぅ~! それを読んだ僕は、地団太を踏む思いだった。

ジョホールバールと言えば、かつて日本サッカーが、岡野のゴールで史上初のワールドカップ出場を決めた土地だが、僕はその何年か前にマレーシアからシンガポールへの旅行をした折、ジョホールバールへも行っている。それとは知らずに、ユーラシア大陸最南端と、あとほんのわずかな距離のところまで接近していたのだ。ぜひ見たかったなあ。最南端の地を…。
その朝日新聞の特派員は、売店で「最南端到達証明書」を作ってもらったそうだ。あぁ~、僕もその到達証明書が欲しかったなぁ。
まことに残念なことをしたものだ。

旅行は事前の予習が肝心だという。
行く前に十分勉強して、帰ってから「行っとけばよかった!」と後悔しないこと。
これが、旅の要諦です。
…と言いながら、いつも「しまった。行っとけばよかった!」を繰り返す僕です。

ちなみに、日本最南端 はここだそうです。

今、ネットで調べるまで知りませんでした。

 

 


コメント (2)
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