めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

東京湾の復活を夢見て

2014-03-24 17:26:34 | 環境問題

ドキュメンタリー番組で、瀬戸内海の海の復活が取り上げられていました。
日本が高度成長期の頃、日本中の海が工場から出る排水によって汚染され
大きな社会問題となっていましたが、その後、瀬戸内海の多くの地域で
美しい海が戻ってきたことを番組は伝えていました。

ヘドロで汚れ、生物が死に絶えたのではと思えるような海域が、
かつての美しい海へと変わっていく様は、美しい日本の復活を見る様で
自分自身の故郷と照らし合わせて非常に考えさせられました。

山里の自然が自然と人間を結びつけるように、浅い海の自然の復活は
多くの水産物の復活を産み、我々日本人が海と共に生きてきた事を
再確認させるものでした。

東日本大震災が起こり、ニュースなどメディアを通して、人々の繋がりが
いかに大切であるかが重要視されるようになりました。
多くの尊い人命が奪われ、財産だけでなく故郷さえ奪われてしまった方々は
どれほど辛い思いでいるか知る由もありません。

人と人との繋がりが重要であるように、我々が自然といかに繋がっているかを
知る事はとても大切な事と思えます。

どんなに人類が地球を支配しても、我々は自然の恩恵を受けずに
生きていく事は出来ません。
大都会に住んでいると、お金を出せば何でも簡単に手に入る事から
その恩恵を感じられなくなってしまいがちです。

地上に住む生物の食物連鎖から逃れられない私たちは、
あらゆる食物を手に入れ、生産し生きてきました。
自分たちに都合のいいように地球を作り変えてきた結果
今では、その連鎖の頂点に居続けられなくなってきました。

地上のあらゆる紛争は、自分たちのテリトリーを広げ
食料を確保することが前提になっています。
しかし、その食料すら手に入れ辛くなっている事は
人類の未来に暗雲を広げる大きな要因となりつつあります。

家畜も魚も、我々が食料とするには、その量よりもはるかに多くの
自然の産物が必要です。
食物連鎖のピラミッドを見れば、その頂点にいる我々は
どれほど沢山の生き物に支えられているかが解ります。

我々が食料とする海産物も、食べられる大きさになるには
彼らの食料としてその何千何万倍の小魚やプランクトンが必要となるのです。
食物連鎖の底辺にあたる生物が多く存在するのが海辺であり
浅い日光が良く届く海域なのです。

その大切な海を我々は汚染し続けているのです。
驚くほど綺麗に復活した瀬戸内海の海域と同じく東京湾もかつては
美しかったのです。
東京湾は大都会の前に在り、世界でもまれな海洋生物の宝庫でした。
海と言えばどこも同じと思う方もいますが、魚や生物が溢れる海は
世界でもほんの一部の地域なのです。

その命溢れる海域に在るのが日本である事を多くの方が知りません。
でも、今の都会に近い海を見ればそんな事は考えにくいでしょう。
黒く濁った東京湾を見てきた人にとっては、水族館の水槽の中の様に
魚や海洋生物に溢れた東京湾は想像できないかもしれません。

しかし、特殊に見える風景が実は本当の東京湾なのです。
こんなにも汚し痛めつけたのは他でもない我々人間なのです。
瀬戸内海の美しい海の復活は、決して夢物語では有りません。
美しい海が復活することにより、海洋生物が溢れ、その結果
多くの海産物の恩恵を得られるようになるのです。

将来我々の孫たちが生きていくうえで大切なことは
経済的な発展だけでなく、生物として大自然と関わっていく事が
重要と思われます。
海を汚すことが、単に見た目が汚いという事ではなく、
人類の存亡に関わる事であると認識していく事が大切と思えます。