ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年4月16日。ウクライナ侵攻から417日目。正教復活祭

2023-04-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月16日。
 ベラルーシは正教の復活祭です。
 日本には「暑さ寒さも彼岸まで」という表現がありますが、ベラルーシでは「寒さは正教復活祭まで」と言われており、さらに正教の復活祭の日は必ず晴れると言われているのです。それはなぜかと言うと、正教徒は神に祝福されているから、だそうです。
 ところが、今日のベラルーシは、気温10度、霧雨が降り、薄暗く寒い・・・。
 もうね、これはね、今の正教徒は神に祝福されていない証拠・・・と私は思いました。

 昨日の夜のミサ(クリスマスイブのように祝日の当日よりその前の日の前夜祭のほうが重要であることが多いです。)で、ロシアやベラルーシの正教の総主教が信者に向けて話したお祝いの言葉の中に、ロシアのウクライナ侵攻は正しいことなのだという内容や、ウクライナ国内で正教徒の間で分裂していることに対し、一方が悪い、そして死によって罰せられると話したので、ミサの生中継のテレビを消したベラルーシ人もいます。
(今の私はこういう番組は最初から見ないようにしています。)

 ロシア正教のトップの言動に反対して、教会へ通うのをやめたベラルーシ人信者もこの1年で増えました。
 正教への信仰を捨てるわけではないが、教会へ行って聖職者の姿を見たくない、この聖職者たちがロシア正教トップの言うことに従っているのかと思えてくるから・・・と言うベラルーシ人もいます。
 ベラルーシの聖職者でも心の中ではトップへの反感を持っている人もいるでしょう。しかし実際には一緒くたに見られてしまいます。
 まあ、どこもそうですね。日本人はこうだろう、ロシア人はこうだろう、ベラルーシ人はこうだろう、と思われ、個々の気持ちの中まで誰も注意して見ないし、そもそも心の中で考えていることなど、分かりません。いや、私はこれこれに反対ですと意見を表明すると逮捕されてしまう場合もあります。

 ともかく今日は世界平和をお祈りするしかありませんでした。

 昨日、停戦を呼びかける発言をしたロシアの民間軍事会社ワグネル創業者プリゴジン氏は今日、捕虜のウクライナ兵をウクライナ側に引き渡すようSNS上で発言しました。今日が正教の復活祭だからでしょう。プリゴジン氏はウクライナ兵捕虜に「食事を与え、水を飲ませ、負傷者をチェックして、昼までに向こう(ウクライナ側)に行かせなければならない」と話しました。

 ウクライナ政府高官は今日、ロシアとの捕虜交換の一環としてウクライナ兵130人が解放されたと発表しました。

 ウクライナ大統領も今日、復活祭に合わせた動画メッセージを公開し、国民に向けて「1年前、私たちはウクライナが持ちこたえるよう祈った。今日は勝利のために祈ろう」と語りかけました。
 ウクライナの治安当局は戦時下のため、教会に長時間滞在しないよう呼びかけました。大勢人が集まる所へ攻撃があるかもしれないからです。

 ベラルーシ大統領も正教徒にお祝いメッセージを送りました。平和を祈ると同時に、ロシア正教トップのキリル総主教の健勝を祈るメッセージを送りました。

 ロシア大統領も今日、モスクワにあるロシア正教会の救世主ハリストス大聖堂で行われた復活祭の礼拝に参加しました。

 ウクライナでは祝日の今日1もロシアの攻撃が続き、ミコライウ州では10代の2人が死亡しました。ザリージャ州では教会が破壊されました。

 ロシア太平洋艦隊は今日、緊急査察に伴う大規模訓練の一環として、司令部を置くウラジオストク近郊で揚陸艦による上陸訓練を行いました。

2023年4月15日。ウクライナ侵攻から416日目。正教復活祭前夜

2023-04-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月15日。
 ミンスクは気温が下がり、7度ぐらいです。寒い・・・。ゴメリ州では洪水の影響で浸水した地域ではボートに乗って家を周り、イースターエッグを配っています。
 

 今日は正教復活祭前夜の聖土曜日です。この日、エルサレムの聖墳墓教会に聖なる火が無事出現しました。もし、火が出現しなかったら、次の復活祭までの約1年の間にこの世の終わりが来ると言われています。
 今年はヒヤヒヤ度が高かったのですが、無事聖なる火が現れてほっとしています。ベラルーシではテレビの生中継を見ながら見守っています。
 幸い戦争が悪化して核戦争になり、人類滅亡ということは次の復活祭までないようです。よかった。


 ウクライナの国営原子力企業「エネルゴアトム」は、ザポリージャ原発の原子炉機関室近くでロシア軍が仕掛けた地雷が爆発したと報告しました。この報告があったのが13日で地雷が爆発したのはいつなのかはっきりしませんが、爆発が起こっても数日は世界の人々は知らないまま過ごしているということです。


 ドイツでは稼働中の最後の原子炉3基が15日夜(日本時間16日午前)に送電網から外れて運転を停止し、国内の原子力発電量はゼロになります。


 ロシアの民間軍事会社ワグネルのトップ、プリゴジン氏は、ロシア政権は軍事作戦の終了を宣言すべき時だとする声明をSNS上で発表しました。同氏はまた、ロシア軍は「東部ドネツク州全域の制圧」とする主目標を達成できそうもない上、ウクライナ軍の反攻で敗北する可能性があるとも警告しました。
 あのプリゴジン氏が弱気の発言です。
 昨日、徴兵を電子化したばかりなのに、ロシア軍が敗北するかもしれないとこのタイミングで言うのはなぜなのでしょうね。
 さらには、ロシアはウクライナ領の重要地域を占領し、露本土と実効支配するクリミア半島を結ぶ陸路も確保するなど十分な「戦果」を達成したので、侵攻開始から1年に当たる今年2月24日時点の前線を停戦ラインとすべきだと主張しました。停戦しない場合、露軍はウクライナ軍の反攻で占領地域を奪還され、威信も失う恐れがあると指摘。
「ウクライナはかつてロシアの一部だったかもしれないが、今は国民国家だ。」
とも発言していますが、ロシア大統領はどう思うのでしょう。

 
 

2023年4月14日。ウクライナ侵攻から415日目

2023-04-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月14日。
 今日もミンスクは小雨が降っていました。

 ベラルーシの航空会社ベラビアが、ロシアの航空会社の航空機のメンテナンスを行う権利を取得しました。
 経済制裁のためにベラビア航空の飛行機のメンテナンスもできるのかしらと心配しているところへこんな発表です。
 またベラルーシがロシアから利益を得るチャンスが来ました。これも戦争の影響の一つですね。

 ロシア国防相は今日、ウラジオストクに司令部を置くロシア太平洋艦隊が抜き打ち査察の実施で高度な戦闘準備態勢に入ったと述べました。その際、日本が返還を求めている北方領土や、サハリン島への上陸撃退も想定した訓練を行うと表明しました。
 憂鬱ですね。

 訪米しているポーランド首相は13日、演説で「ウクライナが打ち負かされれば、中国が台湾に攻撃するかもしれない」と述べました。
 気が重くなりますね。
 
 日本と台湾の交流を進める超党派議員連盟「日華議員懇談会」の木原稔・事務局長(自民党衆議院議員)はロイターとのインタビューで、仮に台湾有事が起きれば日本はウクライナ戦争で避難民を保護したポーランドの役割が求められるとの見方を示しました。
 確かに台湾から避難民が来たら日本で保護しないといけないでしょう。でもそれだけではないはずです。

 ロシア大統領は今日、徴兵に際しての招集令状を電子化すること、および徴兵忌避者に対する罰則などを導入する法律に署名しました。
 今までの紙の招集令状は、本人が受け取るまでは無効とされていたので、多くの人が招集令を無視したり、すぐに国外に逃れたりしていました。今後は電子版招集令状を個人に送信し、それを受信するだけで、開いていなくても受け取ったことになります。また一度送信した招集令状を複製して、何度も送信を繰り返すことも違法ではなくなります。
 そして招集令状が示す期日までに入隊しない(指定の日付から20日以内に各地区の軍の入隊登録所に来ない)場合は、まず車の免許証が剥奪。出国禁止。不動産取引に制限がかかる(外国での住居の確保が難しくなる。国内に所有する家や土地を売るのも難しくなる。)などの罰則が定められました。
 ロシアのデジタル開発省は次回の秋季徴兵の際には、徴兵が完全にデジタル化可能という見込みを発表しています。
 また大急ぎで国外へ逃げるロシア人が増えそうです。

 
 2021年5月に起きたライアンエアー緊急着陸事件で逮捕されたロシア人のサペガ氏が、ベラルーシで有罪判決を受け服役中なのですが、同氏の家族の希望によりロシアへ移送されることが決まりました。
 ロシアの刑務所で残りの刑期を送ることになります。ロシア人(ロシアの国籍を持っている)なので、ロシアで服役するほうがいいのでしょうか。家族がロシアに住んでいるので、そのほうが差し入れなどの支援がしやすくなるというのもあるのでしょう。


 先週、リトアニア国会がロシアとベラルーシ人のリトアニア滞在を制限する法律(居住許可の申請、不動産の購入、リトアニア市民権の申請の禁止を含む 7つの制限措置)を採択しました。
 最初の草案ではこの措置がロシア人にもベラルーシ人にも適用されていましたが、その後国会で、うち4つはロシア人とベラルーシ人の両方に適用され、残り3つはロシア人に適用される・・・と変更され、国会を通りました。しかし、今日リトアニア大統領が承認する署名をせず、その理由として、
「リトアニアの国家安全保障の観点から、ベラルーシ人とロシア人との間に異なる評価にする根拠はない。」
と述べ、法案は元のとおり、7つともロシア人とベラルーシ人両方に(平等に)適用されるものに戻されることをリトアニア大統領は提案しました。

2023年4月13日。ウクライナ侵攻から414日目

2023-04-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月13日。
 ベラルーシは気温が上がりましたが、小雨が降ったりやんだりの日が続いています。昼間も薄暗いです。
 しかし各地で起きている洪水被害ですがようやく水が引き始めました。


 サンクトペテルブルクのカフェで、ウクライナ侵攻を支持する戦場記者のウラドレン・タタルスキー(本名マクシム・フォミン)氏が爆殺された事件で、ロシア連邦保安局は今日、ウクライナ人のユーリ・デニソフ容疑者を国際指名手配し、写真や動画を公開しました。
 デニソフ容疑者はウクライナの破壊テログループの一員で、指示を受け、キーウからラトビア経由でモスクワ周辺に到着。タタルスキー氏の住宅近くにアパートを借り、情報を収集していました。すでに逮捕されたロシア人のダリヤ・トレポワ容疑者に爆発物が入った胸像を渡したとしていますが、さらに仲介者を通じて送付したもようです。この仲介者とは誰なのか。爆発物を胸像に仕込んだ人物なのでしょうか。
 それにしてもそんな危険物を郵便あるいは宅配便で送っていたんですね。


 トレポワ容疑者が2日、愛国的なイベントが開かれていたカフェでタタルスキー氏に贈った直後に胸像は爆発。
 一方、デニソフ容疑者は事件翌日の3日、アルメニア経由でトルコに出国したようです。デニソフ容疑者がウクライナ入りしていたら、国際手配されていても逮捕されてロシアに突き出されることはないのでは?

 また、カフェに爆発物を持ち込んだとされるトレポワ容疑者については、反体制指導者のナワリヌイ氏が率いる「反汚職基金」の幹部らが呼び掛けたため、テロ行為を犯したとロシア連邦保安局は主張しています。
 そしてウクライナの情報機関と海外に隠れているロシアの反体制派による犯行だと結論付ける調査結果を発表しました。とにかくこういう結果に持っていきたいのですよ。


 ロシア外務省は今日、スパイ容疑をかけられ、逮捕・起訴されたウォールストリート・ジャーナルのゲルシュコビッチ記者について、米露の直接交渉で「交換」が可能だとの考えを示しました。一部報道によると交換の対象になる可能性のあるロシア人の候補者が複数名上がっています。

 
 CNNテレビによると、アメリカの機密文書が交流サイトに流出した問題で、捜査当局は今日、マサチューセッツ州の空軍州兵、ジャック・テシェイラ容疑者(21)を逮捕しました。続報が気になりますね。


 ノルウェー政府は今日、ロシア政府のスパイとして活動していたとして同国のロシア大使館の職員15人を追放しました。

 ウクライナ保安庁は今日、元ウクライナ国会議員で資産家のワディム・ノビンスキー氏がロシアを支援したとして、財産35億フリブナ(約125億円)相当を没収したと発表しました。

2023年4月12日。ウクライナ侵攻から413日目

2023-04-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月12日。

 ハンガリー外相によると、ハンガリーは原子力エネルギー部門でベラルーシと協力関係をむすぶことになりました。
 ハンガリー唯一の原子力発電所、パクシュ原発に新しく2つの原子炉を設置する計画があります。(5号炉と6号炉)
 原子炉のタイプはVVER-1200ですが、同じタイプの原子炉がベラルーシ原発で使用されています。
 パクシュ原発は1982年に運転が開始し、現在稼働中の原子炉(1号炉から4号炉)で使用されているのはVVER-440という古いタイプの原子炉です。新しいタイプの原子炉を建設することは10年も前に決まっていたのですが、今回ベラルーシ政府の外務省がハンガリーを公式訪問し、会談を行いました。
 そして今後は原発に関して両国が協力関係を結ぶことに合意しました。

 またハンガリーの外務・対外経済関係大臣は、ウクライナ紛争がエスカレートすることをベラルーシが防ぎ、平和的解決のために可能な限りのことをベラルーシがすることをハンガリーが期待しているとベラルーシ外務省訪問団との会談後述べました。
 ハンガリー現政権はNATOとEU加盟国なのに親露の立場ですよね。ウクライナには軍事協力していません。ベラルーシに期待していると言いながら、圧をかけているような気がします。
 ロシアにエネルギー依存しているので、そうならざるを得ないという見方もありますが、新しい原子炉が完成し、ロシアからのエネルギ資源輸入をしなくてよくなったら、立場をどのように変えるでしょうか。


 ロシア国防省は今日、大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表しました。
 昨日に露南部の実験場から発射され、隣国カザフスタン国内の標的に命中したそうです。的中率の高さを誇示していますね。


 ロシアでウクライナと国境を接するベルゴロド、クルスクの両州は、旧ソ連の対ドイツ戦勝記念日の5月9日に行われる軍事パレードを今年は中止すると明らかにしました。
 ブリャンスク州についても、中止されそうです。
 ウクライナと国境を接するベラルーシのゴメリ州とブレスト州はどう判断するでしょうか。

 
 ウクライナ五輪委員会は、ロシアとベラルーシが出場する大会に自国選手が出場した場合、処罰すると通告しました。
 日本水連の坂元要専務理事は今日、7月に福岡市で行われる水泳の世界選手権について、ロシアとベラルーシの選手は参加しないことを明らかにしました。国を代表しない「中立」の立場としても出場できないそうです。ウクライナの選手は出場できますね。
 


2023年4月11日。ウクライナ侵攻から412日目

2023-04-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月11日。
 ベラルーシはやっと本物の春がやってきました。雪が溶けて水が河川に流れ込み、ゴメリ州のほとんど全ての川で水位が上がっています。洪水になっている地域もあります。
 
 ベラルーシでは徴兵の条件に当てはまるかどうかの確認作業が進んでおり、徴兵の招集がかかった者は外国に住んでいても、5月9日までにベラルーシに戻らないといけなくなりました。外国の大学に留学中の場合、すぐに戻らなくてもよいというのが今の法律ですが、これが1年後撤廃される可能性があります。


 ロシア下院の国防委員長は11日までに、兵役の招集令状を紙の文書だけでなくインターネットでも通知できるようにし、拒否した者には出国禁止処分などを科すことができる法改正案を提出したと明らかにしました。
 ウクライナ侵攻に絡んで昨年秋に行った部分動員の際、多数の市民が兵役忌避のため出国したことを念頭に動員手続きを効率化することが目的とみられます。こうすると出国するときに国境地帯や空港の出国審査で、国から出ていかないように止めることが簡単にできるようになりますね。

 ロシアでは今月から40万人規模とされる契約軍人の募集が始まっています。募集のチラシなどによると、対象は18歳以上で、11か月以上の契約が必要となり、報酬は軍事作戦の地域では月21万ルーブル、日本円でおよそ34万円からとなっています。
 40万人を集めるのは「現実的ではない」とする声も出ていますが、独立系メディアなどは各地の地方当局に対し、事前に採用人数が割り当てられていると報じています。例えば○○市の人口は△△万人なのでこれだけの契約軍人をあ集めなさいと政府から通達があり、目標人数に達しなかったら担当者が責任を取らされるのでしゃにむにかき集めます。ひどい場合は道を歩いていたところを無理やり・・・という方法を選ぶ自治体も出てくるかもしれません。
 

 ロシアは経済制裁対策のために、ベラルーシから乳製品を大量に輸入するようになりました。ある意味において、ベラルーシ企業からすると大きなビジネスチャンス到来です。
 そのせいか国内のチーズの値段が上がっていますが、他の商品も値上がりしているので驚きません。
 もっと驚くニュースは、輸入した側のロシアが、ベラルーシのチーズの品質に問題ありとして高品質証明をロシア国内で(明日の日付で)無効にしたことです。つまりベラルーシのチーズの販売ができなくなったのですが、その理由は、あるベラルーシ企業トゥロフ乳製品工場のチーズ製品(スモーク・チーズやクリームチーズ)の中に牛脂が混ぜられていたからです。
 乳製品に脂身を混ぜたらだめでしょ・・・トゥロフ乳製品工場はベラルーシ南部、ウクライナ国境にちかいところにありますが、最近はロシア向け輸出で業績を伸ばしていました。本社はミンスクにありますが、今日は平日の昼間から閉まっています。
 (この企業の製品でモッツァレラとかクリームチーズとか食べたことあるわ・・・うちの子がお菓子作りするときによく買っていました。ベラルーシの伝統的なチーズより、リコッタチーズとかマスカルポーネといったイタリアらしい外国風チーズを作っている企業だったのに。牛脂を食べていたんですか、私は。)
 

2023年4月10日。ウクライナ侵攻から411日目

2023-04-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月10日。

 ベラルーシ大統領は今日、ミンスクでロシア国防相と会談し、自国が攻撃された場合にロシアが防衛するという保証を求めました。この問題について両国大統領が前回協議したとき、ベラルーシが侵略された場合、ロシアはベラルーシを自国の領土として防衛するという趣旨の話があったと述べました。


 ウクライナ郵便は、ノーベル賞を受賞したベラルーシ人、アレクシエーヴィチ氏とビャリャツキ氏の記念切手と封筒のセットを発売しました。
 両氏はウクライナ人ではないのに。あ、アレクシエーヴィチ氏はベラルーシ人とウクライナ人のハーフですね。
 封筒は二人並んでいるタイプ、アレクシエーヴィチ氏だけのタイプ、ビャリャツキ氏だけのタイプと3種類ありますがビャリャツキ氏は檻に入れられている図案で、何だかかわいそう。見方によってはウクライナ郵便、同氏のことを馬鹿にしてないか?とも思えます。ご家族はどう思っているのでしょう。


 現在、ベラルーシ人が外国の大学に留学している場合、徴兵義務があっても実際に徴兵されるのは延期されるという優遇措置があります。
 しかしこれを撤廃するかどうか政府関係者と大学関係者のあいだで検討が始まりました。
 外国で留学していたら、突然呼び出されるのですね。学業をほったらかしにして帰国しないといけなくなるのでしょうか。

 

2023年4月9日。ウクライナ侵攻から410日目

2023-04-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月9日。今日はカトリックの復活祭です。ベラルーシ国内のカトリック信者はお祝いをしています。正教で
は今日は聖枝祭です。
 ベラルーシ大統領自身は正教徒ですが、国内のカトリック信者をお祝いしました。
 ローマ教皇は復活祭の期間中、ウクライナでのあらゆる軍事作戦を2週間停止することをロシアとウクライナに提案しました。
 もうすぐウクライナが反撃開始すると言われていますが、今月16日の正教の復活祭が終わるまでは大規模な攻撃はしないのではないでしょうか。
 しかし、それを過ぎると、ちょうど泥濘期も終わるので攻撃しやすい条件が増えます。


 リトアニアは、ロシアやベラルーシとの接触について報告するよう市民に義務づけることになります。新しい法律が承認されれば私的なもの(友達付き合い)であっても、接触していることを公式に認めなければならなくなります。
 エストニアは対ロシア経済制裁強化することを決定しました。

 ベラルーシは昨年、ロシアに1億5000万ドル相当の自動車部品を輸出しました。2倍の伸びです。
 それだけロシアが経済制裁の影響を受けているという証拠ですね。

 
 


2023年4月8日。ウクライナ侵攻から409日目

2023-04-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月8日。
 ベラルーシは急に気温が17度にまで上がりました。


 インターネット銀行事業に携わり、ドローン開発も手掛けるウクライナのウォロディミル・ヤツェンコ氏は7日、旧ソ連による対ドイツ戦勝記念日の5月9日、モスクワの赤の広場を狙ってドローン攻撃した人に2000万フリブナ(約7000万円)の賞金を贈呈すると呼び掛けました。

 前ロシア大統領のメドベージェフ氏は、遅かれ早かれ、地球上の誰もウクライナを必要としないために、ウクライナは消滅するだろうと確信しています。また普通のアメリカ人は、「ウクライナ」とは何か、「それ」がどこにあるのかすら理解していないとも発言しています。

 フランス大統領は中国を訪問し記者会見で「いかなる国も、どんな条件であっても、他国領土に核兵器を配備することはできない」と述べました。
 
 ロシア大統領報道官は「フランス大統領からここまで激しいアメリカ批判が飛び出すのは久しぶりですね。」とコメントしました。

 みんな自分が言いたいことを言いたいように話しています。


 ロシア国防省は、今月から契約軍人の募集を開始しました。年末までに40万人を集める計画だということです。
 動員だと驚いて国外へ脱出する人も増えているので、志願兵を集めることにしたようです。
 契約した兵士の月給は最高でおよそ67万円で、一時金も支払われるということです。

2023年4月7日。ウクライナ侵攻から408日目

2023-04-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月7日。
 今日は正教の祝日、生神女福音祭(受胎告知の日)です。今日は仕事はもちろん家事も何もしてはいけない日です。が、休日ではないので、出勤してたくさん働きました。
 
 ドルに対してベラルーシ・ルーブルが値下がりしています。1ドルが2.90ルーブルぐらいになっています。そしたら、ロシアのルーブルも、去年4月以来の水準まで値下がりしていました。今日は一時、1ドル=83ルーブル前後にまで値下がりしています。
 欧米企業の撤退などで資本流出が起きるのではないかとの見方が背景にあるという指摘も出ています。
 また、アメリカの経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、欧米の経済制裁によって石油や天然ガスの収入が減ることで経済が打撃を受けていて、投資家がロシアの資金流出に懸念を抱いているためだと伝えています。ベラルーシ・ルーブル安はそれに引きずられているようです。

 ベラルーシとロシアの間の貿易額は450億ドルを超えたとベラルーシ経済相が発表しました。さらに増やす計画ですが、西側諸国から経済制裁を受けて、二カ国で協力し合うしかありません。


 ロシア外相は6日と7日、トルコを訪れ、同国外相と会談しました。ウクライナ産の穀物輸出を可能にする合意の延長には、ロシア産の食料輸出を妨げる制裁の解除が必要だとの立場を強調し、トルコ側もこれを支持しました。
 穀物に関して言えば、ベラルーシからロシアが輸入しようとした種用の小麦から黒穂病が発見され、輸入が禁止されました。
 

 ロシアで身柄を拘束されたウォールストリート・ジャーナルのアメリカ人記者が、スパイ罪で起訴されました。本人は罪状を否認。


 今日付のニューヨーク・タイムズ紙が「アメリカの国家安全保障上の秘密を詳細に記したと思われる機密文書が、SNSに公開された」と報道しました。


 2020年のベラルーシ大統領選で立候補していたツェプカロ氏の欠席裁判があり、複数の罪状(ベラルーシ大統領はに対する侮辱罪など)により懲役17年の有罪判決が出ました。
 また230万ベラルーシ・ルーブルを超える損害賠償と罰金を課せられ、1ヶ月以内に支払わなければならなかった場合.、押収された国内の動産および不動産が没収されます。


2023年4月6日。ウクライナ侵攻から407日目

2023-04-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月6日。
 ようやくベラルーシは気温が上がりました。ゴメリやビテプスクなどでは川の水位が上がり、道路が冠水しているところがあります。

 昨日に引き続き、モスクワではロシアとベラルーシの首脳会議が行われました。昨日の会談は夜中まで続いたそうです。ベラルーシ大統領がクレムリンを出たのは午前2時半。
 今日の会合では主要閣僚も参加し、経済や安全保障面など幅広い分野での両国の連携強化が話し合われ、冒頭、プーチン大統領は「この会合で、双方が受け入れられる解決策が見つかるだろう」と述べました。戦術核兵器の配備に向けて具体的な議論が行われました。
 核武器を扱うためのベラルーシ軍の訓練は、4月3日に始まっています。
 またベラルーシ軍は核兵器を搭載できるようSu-25機を改造しました。
 ベラルーシ大統領からはソ連時代にベラルーシにあったミサイルシステム「トーポリ」をロシアの手で復元するよう要請しました。ロシアによってベラルーシ軍がどんどん強くなっていきますね。庇を貸して母屋を取られるというようなことが起きるかもしれません。

 かつてのミサイルシステムというのは・・・ソ連時代、ベラルーシは独自のベラルーシ軍というのものは当然ありませんでした。ソ連軍所有の核兵器がベラルーシ領内に配置されていたのです。
 ソ連が崩壊し、ベラルーシが独立すると、ソ連軍の核兵器がそのまま置いてあったのでベラルーシは核保有国となりました。兵器庫にはミサイルシステム用の弾薬が1000発以上や対罹患弾道ミサイルも残されていました。
 他にも国内9箇所にロケット師団やミサイル連隊がベラルーシ軍の中に存在していました。
 しかし、1992年にベラルーシは核を保有することをやめることを決定し、核兵器はロシアに返還することになりました。完全に返還するのに4年もかかっています。こうして1996年以降はベラルーシは核保有国ではなくなりました。
 1992年はベラルーシの大統領はシュシケヴィチ氏で、もともと物理学者でした。当時のベラルーシ人はチェルノブイリ原発事故の記憶も新しく、放射能や核などという言葉に敏感になっており、核兵器をロシアへ返還することに安堵する人もいましたし、やはり物理学者の大統領は、一般人が持つ核への危機感を共有してくれたんだなと評価する人もいました。
 が、当然のことながら当時このロシアへの核返還を間違っていると思った人もいましたし、今になって大失敗だと考える人もいます。
 ベラルーシ現大統領は、間違いだったと思っているようで、だからこそ今このときに1992年の当時のベラルーシに戻したいのでしょう。
 

 2020年のベラルーシ大統領選挙で立候補した一人、アンドレイ・ドミトリエフ氏が警察の要求に従わなかったことなどから逮捕され、今日1年半の更生施設での禁固刑の判決が出ました。


 イギリス国防省は今日のウクライナ戦況報告で、激戦の続く東部で作戦を担当してきた、ロシア軍の東部軍管区のムラドフ司令官が解任された可能性が「非常に高い」と発表しました。ロシア兵の損害が非常に多かったそうです。解任されるのは当然ですよね。


 6日付のロシア紙コメルサントは、ウクライナ侵攻を続けるロシアで昨年秋に部分動員された男性2人が軍事作戦への参加を拒否して昨年12月に懲役3年の判決を受けていたと報じました。
 2人は軍務に就くよう求める上官の命令を拒み、ウクライナ国境に接する西部ベルゴロド州で身柄を拘束されました。同紙は、前線の士気低下を恐れる当局による「見せしめの拘束」だとの見方が出ていると伝えています。拘束されたときのようすが動画になっていますが、こんな動画が残されているのが見せしめである証拠です。
 2人は罪を認め軍務に戻る意思を示していますが、減刑を求める申し立ては却下されました。



2023年4月5日。ウクライナ侵攻から406日目

2023-04-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月5日。
 今日も小雪が降る中出勤でした。

 予定通りベラルーシ大統領はモスクワを訪問しロシア大統領と首脳会談を行いました。
 改めて両国の協力関係を再確認。政治・経済・軍事関係の内容が中心でしたが代替輸入についてさらに話し合われたようです。経済制裁をかわすため協力し合うということです。
 ベラルーシはインフレが延々と続いています。輸入品は減り、何とか国内でできる限りの商品を生産しようとしています。地産地消です。ベラルーシは農業国なので、ロシアに乳製品など輸出しています。12%ロシア向け輸出が増えました。
 なかなか気温が上がらないので農場では種まきができず、今年の収穫量がどうなるか心配なところです。
 ガソリンはやや値下げされました。
 ドルやユーロに対してベラルーシ・ルーブル安傾向が続いています。


 ウクライナ大統領はワルシャワを訪問し、今日、ポーランド大統領首脳会談を行い、会見でさまざまな支援を継続すると約束したポーランドに対し感謝の意を示しました。ポーランドが「MIG29」戦闘機14機をウクライナ軍に供与することも明らかにされました。

 ラトビアは、来年から若い男性に対する兵役義務を復活させることを決定しました。


 ロシアのマリア・リボワ・ベロワ大統領全権代表(子どもの権利担当)は4日、家族の要請があればウクライナの子どもを引き渡す用意があると表明しました。
 同氏は記者会見で、侵攻開始後に国外に移送された子どもについて「ウクライナ当局のいかなる代表からも」連絡はないと指摘。また、子どもを捜している親に対し、「私にメールを書いてほしい。あなたの子どもを見つけるために」と呼びかけました。つまり、ウクライナの親が同氏にメールで「うちの子を返して。」と訴えたら子どもは親元にかえしてもらえるようです。
 養子になった子どもはウクライナ国籍を残したままロシア国籍も与えたそうです。二重国籍者ですね。ウクライナ側は許さないでしょう。男の子の場合、成長したらロシア軍に兵役義務として徴兵され、ウクライナ軍と戦わされますよ。

 ロシアに連れ去られたマリウポリ出身の17歳の少年がウクライナに帰ろうとしたもののベラルーシで拘束され、ロシアに連れ戻されたという情報があります。真偽は不明です。


 ロシアのブリャンスク地方クリンツォフスキー地区で、ウクライナの飛行機が墜落しました。国境警備隊は、墜落後、ウクライナ領土に越境して逃げようとしたパイロットを拘束しました。このパイロットの顔など拘束されたようすの動画がSNS上で出回っています。


 今日のロシア大使着任の儀式で、アメリカ大使を含む大使たちの前でロシア大統領は「ロシアがクリミアに侵攻した当時の、アメリカからウクライナへの支援が、危機を招いた。」と演説し、大使たちは無言の反応を見せ、拍手もしませんでした。ロシア大統領は戸惑った様子を見せました。動揺しているというより、いつも何を言っても拍手ばかりされる立場なので、いつもとちがうと感じたように思えます。
 

2023年4月4日。ウクライナ侵攻から405日目

2023-04-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月4日。
 今日も雪が降る中出勤です。

 2月26日にマチュリシチ空軍基地で、ロシア軍機が爆破された事件について続報です。
 ベラルーシ側の説明によると犯行に及んだのはウクライナ側のテロリストとその協力者20名で、すでに拘束されています。ベラルーシ野党は彼らが潜伏するのを助けたとしています。
 KGBの捜査によると首謀者はロシアとウクライナの両方のパスポートを持つニコライ・シュヴェツです。現在、取り調べに対して協力的な態度であるそうです。
 また容疑者たちは組織化したグループで、訓練されており、背後に外国の諜報機関がいるため、今回の犯罪行為は国家反逆罪として起訴され、また現在のベラルーシの法律では、死刑の判決が出る可能性も示唆されています。


 ロシア対外情報局長官は今日、ミンスクでベラルーシ大統領と会談し、諜報分野での連携強化で一致しました。
 そして明日、モスクワで両国の首脳会談が行われます。

 
 フィンランドは今日、NATOに正式加盟しました。
 それに対しロシア大統領報道官は、NATOの拡大は「ロシアの安全保障と国益に対する侵犯」とし、ロシアはフィンランドにNATO軍が配備されないか、注意深く見守ると述べました。
 ロシア国防相は、フィンランドのNATO加盟でウクライナでの紛争がさらにエスカレートする可能性が高まると警告。ただ、ウクライナでの「特別軍事作戦」の結果には影響を及ぼさないと述べました。
 ロシア外務次官は昨日、「NATO加盟国の軍隊と軍備がフィンランドに配備されれば、ロシアは軍事的な安全保障を確保するための追加措置を講じる」と警告しています。
 ロシアはNATOの当方拡大に強く反発してきましたが、ウクライナに侵攻したためにかえってNATOが近づいてきました。「北風と太陽」の話を思い出しました。


 2日にサンクトペテルブルクのカフェで起きた爆発では、軍事ブロガーが死亡し、26歳のロシア人女性が拘束されていますが、「国民共和国軍」を名乗る反プーチン政権派の組織が4日、SNSを通じて犯行声明を公開しました。事件について「外国の組織や情報機関の支援は受けていない」と主張しています。
 カフェの元所有者で民間軍事会社創立者のプリゴジン氏は4日、爆発現場で支持者らと集会を開き、イベント活動を継続していくとアピールしています。


2023年4月3日。ウクライナ侵攻から404日目

2023-04-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月3日。この間の吹雪で積もった雪が雨で溶けていたのですが、朝起きたらまたうっすら雪景色になっていました。
 
 昨年11ヶ月で、ポーランドにおける外国人の住宅購入数が10,000戸を超えました。 最も多いのはウクライナ人 (4,275戸)、ドイツ人 (1,118戸)、ベラルーシ人 (889戸)、ロシア人 (276戸)、スウェーデン人 (239戸) 。
 避難民のウクライナ人が最多ですね。ベラルーシ人が多いのは、政治・経済的理由でポーランドへ出国した人が2020年から増えたから。ロシア人は動員逃れの人たちでしょうか。


 ロシア大統領は今日、サンクトペテルブルクのカフェの爆発で昨日死亡した、戦場記者のウラドレン・タタルスキー(本名マクシム・フォーミン)氏に、勇気勲章を授与する大統領令に署名しました。
 この爆発物を持ち込み、指名手配されていた女性ですがすでに拘束されました。ダリア・トレポワ容疑者(26)は取調べ中ですが、爆発物が仕掛けられていた胸像を持ち込んだことは認めたものの、中身を知らなかったとも供述しているようです。
 トレポワ容疑者の母と妹も取り調べを受けているそうですが、これは事件の黒幕が母親だったというわけではなく、爆発物をトレポワ容疑者がどこで保管していたのか(あるいは爆発物を自作していたのか)調べているだけだと思います。
 もし同居している自分の家族が自宅内で爆発物を作ったり、あるいは保管していたばあい、そのことをその家の所有者(この場合は母親がそうなのでしょう。)が「知っていたのか」「知らなかったのか」調べられます。
 知っていた場合、自分が所有する家屋の中に危険物があったのを知っていたのに何も対処しなかったということで罪に問われます。 
 知らなかった場合でも、自分が所有する家屋の中にある物を把握していなかったという罪に問われます。
 トレポワ容疑者がウクライナと関係があるのか、それともテロリストなのか、個人的な恨みがあったのか、誰かに利用されたのかよく分かりません。
 かつて反政府デモに参加していて拘束されたこともあるそうです。それが事実なら反政府の考えの持ち主なのでしょう。
 ちなみにタタルスキー氏も銀行強盗をして服役したこと前科があります。
 
 現場となったカフェは民間軍事会社ワグネル創設者プリゴジン氏が所有していたもので、現在はそのカフェに集まっていた「愛国者」に譲っていたっそうです。

 今回の爆発についてロシア側は「ウクライナが計画した」と批判。一方でウクライナはロシア国内の内部抗争との見方を示しています。

2023年4月2日。ウクライナ侵攻から403日目

2023-04-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月2日。今日はロシアとベラルーシの民族統合の日という記念日なので各地で関連する催し物が開催されていますが、どこを見てもロシアとベラルーシが、同盟国であり、仲が良くて協力しあっている、お互いがかけがえのない存在だという祝辞が述べられています。

 在ベラルーシのロシア大使は、ロシアがベラルーシ領内に配備する予定の核兵器は西部国境に移送されるべきと述べました。
 この大使の発言が政府の決定になるとは限りませんが、やはりベラルーシの西側にあるポーランドからの攻撃を前提として核兵器を配備する可能性は高いです。


 サンクトペテルブルクのカフェで今日、爆発が起き、ウクライナ侵攻の取材をしていたロシア人の戦場記者、ブラドレン・タタルスキー氏が死亡しました。カフェでは親政権派の催し物が開かれ、タタルスキー氏に贈られた胸像に爆発物が隠されていたそうです。爆発物の規模はTNT火薬に換算して200グラム以上だったそうです。
 ロシア内務省によると25人が負傷し、うち19人が入院するほどの重傷を負いました。
 タタルスキー氏は軍事ブロガーとして有名人でした。新政権派なので、ロシア軍のよいところばかり報道して瑛太と思いますが、今回の爆発物がしかけられていた物から考えて、テロというより同氏を狙った殺人事件のように思えます。
 ところが民間軍事会社のワーグネルのプリゴジン代表もこの座談会に出席する予定だったが、欠席したとも言われています。そうするとプリコジン氏を狙ったものだったのでしょうか。

 一方で座談会参加者の一人が撮影したと思われる動画には爆発5分ほど前の会場のようすが写っており、よく見えないのですが、贈り物がタタルスキー氏の胸像で、箱から取り出してお披露目しながら、「ハンサムだな。」「黄金製だよ。」などと笑ったり、会場の人が手を叩いたりしています。
 自分の姿をした胸像の中に爆発物がしかけられていて、そのせいで死んでしまうなんて、悪意を感じますね。やはりタタルスキー氏を狙った事件だと思います。

 タタルスキー氏の本名はマクシム・フォーミン。ドネツク地方のマケエフカ出身で2014年には民兵としてドンバス地方の紛争に従軍し、最前線の生活を綴る軍事ブロガーになりました。テレグラムのチャネラーであり、著作も2作品発表しています。
 本名はよくある名前なのに、ペンネームにブラドレン・タタルスキーという姓名を選ぶところにこの人の性格が出ているなと思います。ブラドレンはウラジーミル・レーニンを縮めた名前で、ロシア革命後に新しく作られた男性名です。今は自分の子どもにこの名前をつけるのは非常にまれです。
 タタルスキーという名字は「タタール」から来ていますが、ロシア人なのにタタール(ロシアとは別の民族の名称)という名字を選んでペンネームにするのは、どういう感覚なのでしょう。それでいて名前はレーニンですよ。

 今回の爆発事件が起きたカフェでは毎週末座談会「サイバーZ前線」が行われており、今日のゲストはタタルスキー氏だと告知されえていたため、同氏がそこへ町以外なく来ることを犯人は把握するのも簡単だったでしょう。
 座談会の入場は無料。主催者は、セキュリティ対策を講じていたが、十分ではなかったと述べました。
 胸像が入った箱を持ってきたのは若い女性だったという証言もあります。