ベラルーシの部屋ブログ

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2023年4月16日。ウクライナ侵攻から417日目。正教復活祭

2023-04-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月16日。
 ベラルーシは正教の復活祭です。
 日本には「暑さ寒さも彼岸まで」という表現がありますが、ベラルーシでは「寒さは正教復活祭まで」と言われており、さらに正教の復活祭の日は必ず晴れると言われているのです。それはなぜかと言うと、正教徒は神に祝福されているから、だそうです。
 ところが、今日のベラルーシは、気温10度、霧雨が降り、薄暗く寒い・・・。
 もうね、これはね、今の正教徒は神に祝福されていない証拠・・・と私は思いました。

 昨日の夜のミサ(クリスマスイブのように祝日の当日よりその前の日の前夜祭のほうが重要であることが多いです。)で、ロシアやベラルーシの正教の総主教が信者に向けて話したお祝いの言葉の中に、ロシアのウクライナ侵攻は正しいことなのだという内容や、ウクライナ国内で正教徒の間で分裂していることに対し、一方が悪い、そして死によって罰せられると話したので、ミサの生中継のテレビを消したベラルーシ人もいます。
(今の私はこういう番組は最初から見ないようにしています。)

 ロシア正教のトップの言動に反対して、教会へ通うのをやめたベラルーシ人信者もこの1年で増えました。
 正教への信仰を捨てるわけではないが、教会へ行って聖職者の姿を見たくない、この聖職者たちがロシア正教トップの言うことに従っているのかと思えてくるから・・・と言うベラルーシ人もいます。
 ベラルーシの聖職者でも心の中ではトップへの反感を持っている人もいるでしょう。しかし実際には一緒くたに見られてしまいます。
 まあ、どこもそうですね。日本人はこうだろう、ロシア人はこうだろう、ベラルーシ人はこうだろう、と思われ、個々の気持ちの中まで誰も注意して見ないし、そもそも心の中で考えていることなど、分かりません。いや、私はこれこれに反対ですと意見を表明すると逮捕されてしまう場合もあります。

 ともかく今日は世界平和をお祈りするしかありませんでした。

 昨日、停戦を呼びかける発言をしたロシアの民間軍事会社ワグネル創業者プリゴジン氏は今日、捕虜のウクライナ兵をウクライナ側に引き渡すようSNS上で発言しました。今日が正教の復活祭だからでしょう。プリゴジン氏はウクライナ兵捕虜に「食事を与え、水を飲ませ、負傷者をチェックして、昼までに向こう(ウクライナ側)に行かせなければならない」と話しました。

 ウクライナ政府高官は今日、ロシアとの捕虜交換の一環としてウクライナ兵130人が解放されたと発表しました。

 ウクライナ大統領も今日、復活祭に合わせた動画メッセージを公開し、国民に向けて「1年前、私たちはウクライナが持ちこたえるよう祈った。今日は勝利のために祈ろう」と語りかけました。
 ウクライナの治安当局は戦時下のため、教会に長時間滞在しないよう呼びかけました。大勢人が集まる所へ攻撃があるかもしれないからです。

 ベラルーシ大統領も正教徒にお祝いメッセージを送りました。平和を祈ると同時に、ロシア正教トップのキリル総主教の健勝を祈るメッセージを送りました。

 ロシア大統領も今日、モスクワにあるロシア正教会の救世主ハリストス大聖堂で行われた復活祭の礼拝に参加しました。

 ウクライナでは祝日の今日1もロシアの攻撃が続き、ミコライウ州では10代の2人が死亡しました。ザリージャ州では教会が破壊されました。

 ロシア太平洋艦隊は今日、緊急査察に伴う大規模訓練の一環として、司令部を置くウラジオストク近郊で揚陸艦による上陸訓練を行いました。

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