電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

吉村昭『白い遠景』を読む

2015年06月03日 06時04分05秒 | -吉村昭
講談社文庫で、吉村昭著『白い遠景』を読みました。1979(昭和54)年の2月に刊行された単行本の文庫化で、著者としては二冊目の随筆集になるのだそうです。構成は、次のようになっています。

1. 戦争と〈私〉
2. 取材ノートから
3. 社会と〈私〉
4.小説と〈私〉

いずれも印象的な随筆が並びますが、この中で特に印象的なものを思い起こせば、知られざる戦功を語る老人の悲哀とそれを持て余す家族を描いた「元海軍大佐P氏のこと」や、通夜に駆けつけるべきか否かを考える「駆けつけてはならぬ人」、温厚な恩師の人柄がしのばれる「駄作だが」などでしょうか。

調査魔だった氏の自信が言わせるのでしょうが、読者が何かで読んだ知識をもとに、作品の一部に疑問を投げかけたことについて、苦言を呈している文章もありました。このあたりは、当方も「知ったかぶり」をやりかねない面があり、ズキッと来るところがあるような(^o^;)>poripori
自戒して、用心、用心(^o^)/


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2 コメント

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買いました! (おなら出ちゃっ太)
2015-06-06 21:19:40
面白そうなので、さっそく買って読んでいます。
何か最近、本を読んでいて物足りないと思っていたのですが、吉村昭が足りてなかった!

終戦後に筆者が感じた人間の不気味さは、前から興味のあったテーマですので、色々と考えさせられました。
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おなら出ちゃっ太 さん、 (narkejp)
2015-06-07 07:09:25
コメントありがとうございます。吉村昭作品は、いずれも興味深くおもしろいものですが、随筆がまたいいのですね。事実の持つ重みを淡々と語るもの、あるいは日常の断面を冷静に描くものなど、大人の文章だな~と思います。まだまだ読みたい作者です。
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