インフルエンザ以来、再読が続いています。現在は、宮城谷昌光著『孟嘗君』(講談社文庫、全5巻)を読んでいるところです。第5巻、田文との間に生まれた赤子と離れ、しかも田嬰を仇としてきた過去を持つ洛芭は、田氏の嫡子としての田文に添って生きていくことはできません。深い哀しみに一人泣く洛芭に、白圭が諭す台詞:
いい言葉です。作者は、かなり主観性の強い人のようですが、それにしても不遇の時代を経てきた人でなければ、こういう、ごく小さな希望を見失わないようにと励ます言葉は言えないものだろうと思います。
「希望は星の光のように小さく遠いものです。星は月とちがい欠けたり消えたりはしない。希望をいだいた者は、つねに顔をあげ、暗く長い夜に、その光をみつづけることです。うつむいた者に、その光はけっしてみえない」
いい言葉です。作者は、かなり主観性の強い人のようですが、それにしても不遇の時代を経てきた人でなければ、こういう、ごく小さな希望を見失わないようにと励ます言葉は言えないものだろうと思います。