電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

舘神龍彦『システム手帳新入門!』を読む~8年ぶりの再読

2013年05月09日 06時05分33秒 | 手帳文具書斎
岩波アクティブ新書で2004年に刊行された、舘神龍彦著『システム手帳新入門!」を再読しました。こうした実用書のジャンルで再読することは、そうたびたびあるわけではないのですが、十年近い年月を経て読み返すとき、古びないものがあるかどうかがポイントになります。本書の場合は、1980年代のシステム手帳の流行が一段落した後に、様々な経緯を経てシステム手帳に再会し、その意義をもう一度見つめてみた、という趣旨で書かれています。したがって、流行よりは普遍性に着目し、システム手帳をめぐる変遷を考察していますので、なかなか興味深いものがありました。実は、当方も長年のシステム手帳ユーザーでありましたが、数年間システム手帳から離れた期間を経て、本書もきっかけの一つになって再びシステム手帳に戻したという経過があります。

ところで、本書では触れられていませんが、私の場合にはたいへん役に立ったノウハウがあります。それは、前年分のダイアリーを記録として携帯することです。本書では、手帳が厚くなることを警戒するあまり、一定の期間が過ぎたらダイアリーを保存用バインダーに移すことを推奨していますが、前年のスケジュールを今年の分とあわせて携帯することで、仕事等の流れを予測することができ、先を読んで準備することができるようになります。綴じ手帳二冊を持ち歩くよりも、ずっと合理的です。このような利用法は、システム手帳ならではのものでしょう。著者の指摘する、システム手帳が持っているロングスパンの時間管理の有用性、今日性は、たいへん説得力のあるものです。

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