電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

モーツァルト「弦楽五重奏曲第3番」を聴く

2013年05月05日 06時01分56秒 | -室内楽
このところ、通勤の車中でモーツァルトの弦楽五重奏曲をシリーズで聴いています。先週からずっと、ヨセフ・スーク(Vla)とスメタナ四重奏団によるCDで、第3番を聴いておりました。言わずと知れた、堂々たるハ長調K.515です。1787年の4月19日に完成されたとありますが、DENON の COCO-70430 または LP の OZ-7065 のA面です。

第1楽章:アレグロ、ハ長調。チェロが上昇する音型を奏でる中で、第1ヴァイオリンがこれを受けますが、すぐに役割を交代し、こんどはヴァイオリンが低い音から上昇する音型を奏する中で、チェロがヴァイオリンと同様の旋律を歌います。このあたり、繰り返される旋律と音色の対比が、とてもおもしろい。ハ長調の響きも、単純に明朗快活というだけでなく、適度な陰影を織り交ぜながら、充実した音楽を聴かせます。
第2楽章:アンダンテ、ヘ長調、4分の3拍子。ヴァイオリンとヴィオラの陰影豊かなかけあいが美しい。スークのヴィオラが独立して見事な音楽を聴かせます。一本多く加わったヴィオラを堪能できる楽章です。
第3楽章:メヌエット、アレグレット、ハ長調、4分の3拍子。ゆったりしたテンポで奏される主題は和声的で、メヌエットとは言いながらも舞曲の性格はごく薄く、のんびりとしたものです。
第4楽章:アレグロ、ハ長調、4分の2拍子。軽やかで晴朗なヴァイオリンの主題で始まりますが、五つの弦楽器がそれぞれの声部で複雑に絡み合い、多彩な響きを聴かせながら、リズミカルな運動性の楽しさも味わうことができます。対位法的な処理などの専門的なところは、素人音楽愛好家の手には余りますが、この楽章の充実ぶりは、モーツァルトが弦楽五重奏曲という分野で達成した代表的な成果と言うべきでしょう。



カーステレオで聴くのもいいけれど、連休でゆっくりした機会に自室のステレオ装置で聴くのもいいものです。心が安らぎます。もっとも、音量があまりにうるさすぎて猫たちには迷惑らしく、早々に退散していきました。まあ、アホ猫にモーツァルトというのも、文字通り「猫に小判」のようなものなのでせう(^o^)/

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