電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

菜穂子『山形ガールズ農場』を読む

2012年09月11日 06時05分01秒 | -ノンフィクション
上の娘が結婚する頃、高校の同級生というか同期生の菜穂子ちゃんが実家に帰って農業をやっているらしい、という話をしていました。自宅から地元の大学に通っていた娘には、都会に出て横浜の大学に通う同期生の姿が、うらやましく思っていたのでしょう。ところが、何を思ったか田舎に戻って農業をやっているという話に興味を持ったらしいのです。その後、いろいろな情報が入ってきました。お母さんと一緒に、東根市の「よってけポポラ」という直売所のわきに小さな直売コーナーを設けているそうだとか、野菜の詰め合わせを売ろうとしているそうだとか、いたって断片的なものでしたが。

今思えば、この頃は本書の第1章:「女子大生、農業に目覚める」に記されたような試行錯誤の日々だったのでしょう。当方がこのブログを開始する前後の時期で、亡父がまだ元気で農業を楽しんでいた頃にあたります。そして彼女のその後は:

第1章 女子大生、農業に目覚める
第2章 あきらめなければ変えられる!農業の世界
第3章 誕生!山形ガールズ農場
第4章 「女子」ならではの米づくり、野菜づくり、商品開発
第5章 山形ガールズ農場、新たな可能性
第6章 「ビジネスとしての農業」のこれから

という具合に、ビジネスの企業家としての道を歩んでいます。



農業生産法人としてスタートした山形ガールズ農場は、様々なイベントや商品開発を通じて独自性を打ち出し、マスコミにもしばしば取り上げられるようになりましたが、本書には、その彼女の考え方が、明確にわかりやすく記されています。才媛らしく文章も上手で、なかなか説得力もあります。山形「ボーイズ」農場では当たり前過ぎるけれど、山形「ガールズ」農場なら、都会の中高年おじさん・おばさんたちにも応援してもらえるかも。女子から始める農業改革が、友人の結婚式でも一緒になったと話す娘の同期生だからではなく、ビジネスとして成功してほしいものだと思います。

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