電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

鮫島有美子『歌の翼に』を読む

2009年07月31日 06時20分45秒 | 読書
夏の夜、ソプラノ歌手・鮫島有美子さんの著書『歌の翼に』を読みました。著者紹介を見るかぎり、ほぼ同世代と言ってよい年代でしょう。デジタル録音の初期に、ランパル(Fl)とラスキーヌ(Hrp)の「日本のメロディー」とともに、鮫島さんの「日本のうた」は、日本コロムビア・クラシックの代表作だったように記憶しています。その録音のさいのエピソードも紹介されており、直前に怪我をして移動に車椅子を用意したほどだったとか。若さと気持ちの張りが支えた録音セッションだったのでしょう。
当時の録音スタッフの一人、結城亨氏が記した回想記を、ネット上で読む(*1)ことができますが、本書はまた格別。ご本人の留学から結婚、録音のことや、ドイツでの生活ぶり、ウルム劇場との契約など、ソプラノ歌手らしく上品な語り口ながら、少々「天然」の混じったような記述(^o^;)は、なかなか興味深いものです。

(*1):結城亨氏の回想~伴奏のヘルムート・ドイチュ氏の役割の大きさ。
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