電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

男の子とハンカチ、あるいは非言語的メッセージ

2006年08月25日 19時57分43秒 | Weblog
小学生の頃、出かける前に母親に「ハンカチとちり紙、持った?」と聞かれた人は多かろう。男の子の場合、中学生や高校生の頃にはいささかうっとおしく感じたのではないか。こういう記憶は、どうも私だけではなさそうだ。

男の子たるもの、常にハンカチなど持ち歩くのは女々しい限りだ、と感じさせる圧力が確かにある。テレビや映画や漫画の世界を見れば、ひたむきで一途な男の子はほぼ例外なく上着の袖や自分の腕で涙や汗をぬぐっている。これは、言葉以上に強烈な、非言語的メッセージであろう。
ドラマを見れば、ハンカチで汗を拭くのはほとんどの場合きざな悪役か小心な中年男であり、内心の動揺を隠すための小道具として用いている。これでは、純情な男の子がハンカチを持ち歩く習慣は期待できない。

甲子園で高校野球の優勝投手が汗をぬぐったハンカチが社会的話題になったのは、実は彼の行為がこういう非言語的メッセージの存在を明らかにしたためではないか。「ハンカチ王子」は柔弱ではなかった。早稲田実業の斎藤投手の発したメッセージ性は大きい。願わくは、男の子が自立への一ステップとしてハンカチを含むマナーの修得を意識できるように、社会の発する非言語的メッセージが変化していってほしいと思う。
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