電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

『朝の知的生活術』を読む

2006年08月29日 19時44分34秒 | -ノンフィクション
現代情報工学研究会『朝の知的生活術』という文庫本を読みました。1994年3月刊の講談社+α文庫、人間の豊かさの指標として「資産と空間と時間」をあげ、自由に使える時間を見直すために、朝の時間を工夫し生かしている人を取材したものです。
本書は次の内容からなります。

第1章 「朝時間」の発見~なぜいま早朝が注目されるのか
第2章 時代はフレックス~24時間を有効に使う
第3章 「キャリア」は朝つくられる~出勤前に情報を素早くキャッチ
第4章 早起きの楽しみ方~自分だけの時間をどう過ごすか
第5章 「朝型生活」のすすめ~生きた時間を創造する方法

そうですねぇ。読後感はちょっと「微妙」です。
創造的な仕事をしている人が知的生産の技術を駆使しているからといって、知的生産の技術を身につければ創造的な仕事ができるとは限らないように、創造的な仕事をしている人が朝型の生活をしているからといって、朝型の生活をすれば創造的な仕事ができるとは限らないのではないでしょうか。夜間勤務の単身赴任生活も経験した立場からすると、原因と結果が逆転しているようにも思いますし、家族と過ごす時間を軽視した、自分本位の考え方ではないかと思える点もあります。

ただ、なるほどと参考になる内容や、自分だけではなかったと安心する点もいくつかあります。

(1) 前日の日記を早朝にワープロに記録しながら、今日の予定やニュースをチェックするのは、疲れた夜にするよりも、能率的ではかどる。参考に関連記事を検索するなど、前向きの作業になる。
(2) 惰性のつきあいをやめて、自分の時間を重視する。職場のグチを言い合うだけのつきあい酒は、ほどほどに切り上げる。(ちなみに、私は午後9時の男、と自称しています。たいていの場合、9時になったら切り上げます。)
(3) 異業種交流の楽しさ。同窓生の忘年会でプレゼンをやったり、地域インターネットクラブで講習会をやったり、職場や仕事を離れて、脳みそのふだん使わない部分を活性化することは、理屈ぬきで楽しいものです。

日が長い夏季には、朝5時半に目が醒めてしまいます。食事をして出勤の準備にかかる7時すぎまで、およそ90分。通勤時間が短くなりましたので、夜も2~3時間は使えます。この時間をどう使うか。
朝、まずパソコンの電源を入れ、洗面所に行き、コーヒーをいれます。スケジュールを確認してメールをチェックし、ニュースやブログを見て、話題を仕込みます。地方紙の朝刊が届くと、ローカルニュースにざっと目をとおします。通勤の音楽のCDを選ぶのも楽しい時間です。
帰宅して、着替えてから夕食。片付けてからパソコンの電源を入れ、ざっとニュースとメールをチェックし、夕刊に目をとおします。ふだんテレビを見ませんので、夜の二時間は自由な時間です。

これは、本書の定義で言えば、かなり「豊かな時間」の部類に入るのでしょうか、それとも「中くらいの豊かさ」なのでしょうか。聞いてみたいところです。
コメント (2)