電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

重松清『ニッポンの単身赴任』を読む

2006年08月09日 21時57分47秒 | -ノンフィクション
講談社文庫で、重松清著『ニッポンの単身赴任』を読みました。私もかつて単身赴任の経験がありますが、本書に取り上げられたようなケースとはだいぶ違うな、と感じます。なんといっても、本書のケースはみな、帰ろうと思ってもすぐには帰れない距離です。いきおい、休日も単身赴任先で過ごすことになり、そこに喜びや哀しみが生まれるように思います。

私の場合、単身赴任の原因は、単純に冬の豪雪と変則夜間勤務でした。この間、家族の健康、子供の受験など、一番苦労したのは妻でしょう。アパートでの生活は、音楽を聞きながら読書を楽しみ、散歩と買い物と料理を楽しみ、一風呂浴びてインターネットを楽しむ優雅なもの。ほとんど寂しさは感じませんでした。

単身赴任の喜びも哀しみも、休日や余暇の過ごし方から生じる。日々家族の中にあっても、単身赴任同然の人もいるかもしれない。これは、単身赴任とは無縁の人にも、なにかしら考えさせるものがあります。
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