電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

J.S.バッハ「クラヴィーア協奏曲第5番」を聞く

2006年08月30日 19時26分12秒 | -協奏曲
通勤の音楽、ここしばらくは、カーステレオでJ.S.バッハの「クラヴィーア協奏曲第5番」ヘ短調、BWV.1056 を聞きました。
本来はチェンバロで演奏されるところ、アンドラーシュ・シフのピアノで、ジョージ・マルコム指揮イギリス室内管弦楽団が演奏しています。それでも、まったく違和感は感じられません。

第1楽章、アレグロ。弦楽合奏の中でクラヴィーアが独奏楽器として旋律をうたう。当時としては画期的なことでしょう。後年の古典派・ロマン派のピアノ協奏曲の始まりがここにあったのだろうと思うと、感慨深いものがあります。
第2楽章、ラルゴ。オーケストラがピツィカートでそっとリズムを刻む中で、ピアノが美しい旋律を聞かせます。バッハの音楽を聞く喜びを感じるひとときです。
第3楽章、プレスト。弦楽が緊密なアンサンブルを聞かせます。ピアノも弦楽とかけあい、短いけれども充実した音楽です。

DENONの全集"MyClassicGallery"シリーズの1枚(GES-9204)、管弦楽組曲とカプリングされていますが、もともとは1979年8月29日~30日に、ロンドンのヘンリーウッド・ホールでデジタル録音されたものです。27年前の今日、ロンドンで響いていた音楽を、今こうして自宅のスピーカを通して聞いているわけで、当時若手だったアンドラーシュ・シフも、すっかりいいおじさんになるわけだと、自分のことを棚にあげて妙な頷き方をするのでした。

■シフ(Pf)、ジョージ・マルコム指揮イギリス室内管弦楽団
I=3'26" II=3'00" III=3'21" total=9'47"
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