昔、百科事典が好きだった。中学校の図書館で、本格的な百科事典を調べたとき、わくわくしたのを記憶している。高校時代には、梅棹氏の『知的生産の技術』が現代国語の教科書で取り上げられ、「学校は教えすぎる」が「方法は教えてくれない」という指摘に共感したりした。
「まず索引で調べる」「関連語句のページもメモし、一つずつあたる」
などの百科事典操縦法も、何かの新書で覚えたことだと思う。
ボンビーな大学生時代、あるアンケートで、「あるといいなぁ」の筆頭に「平凡社の世界大百科」と答えたことがある。就職して、先輩の部屋で、軽装版の「平凡社世界大百科」が並んでいるのを見て、さすが~と感動した。ときどき借りて使わせてもらったが、記述の信頼性、格調の高さにあこがれた。
時代は変わり、パソコンにCD-ROMドライブが装備されるようになると、CD辞書がブームになった。FM-TOWNSでワープロソフトFM-OASYSをバージョンアップしたときに『三省堂ワードハンター』が付いてきたのには驚いた。だが、実際にはCD-ROMドライブに常時CD辞書を入れておくわけにもいかず、入れ換えが面倒であまり使わなかった。また、Windows3.1のころに米国Compton社の英語版マルチメディア百科事典CD-ROMを購入し試したこともある。結局、日本語Windows3.1では動作せずあきらめたが、Microsoft社の「エンカルタ」が発売されたときには、日本語Windows95で使えることに喜んだものだ。
ただ、当時のエンカルタでは内容が不満足だった。高校生だった子どもの宿題で、ガンダーラ美術のことを調べようとしても、そんな項目は収録されていないのだ。米国の高校生には向いているのかもしれないが、日本の高校世界史の教科書のレベルを網羅してはいない。この頃、平凡社の「世界大百科CD-ROM」を購入してみた。本文用CDと地図・画像用のCDと2枚組となっており、これも入れ換えが面倒だ。そのうちにバージョンアップのお知らせがきてCDと一緒にDVDも届いたけれど、自宅にDVD-ROMドライブはない。指をくわえて見ているうちに常時接続の時代となり、はたと気がついた。
「そうだ、Googleこそ最大の百科事典ではないのか?」
今は、少し違う感じを持っている。ページランクを上げる抹消的なテクニックを駆使して、あまり信頼性があるとは思えないサイトが上位に来たり、ブログなど多数のリンクがはりめぐらされているページが上位にきたりすると、必ずしも百科事典のような信頼性、格調の高さはのぞめない。WEB版フリー百科事典であるWikipediaのような存在(*)もあるが、現状では充分に体系的・網羅的とは言いがたい。結局、平凡社世界大百科CDを調べ、Googleで検索し、相互につきあわせて判断する、という方式に落ち着いている。
(*):Wikipediaについて
考えてみれば、パソコンに費した金額の何十分の1で、平凡社の世界大百科事典が買えたのだが、転勤に伴う引越しで、邪魔物あつかいされてしまうのがオチだったのかもしれない。私には紙ベースの百科事典は所詮ご縁がなかったと言うべきか。
「まず索引で調べる」「関連語句のページもメモし、一つずつあたる」
などの百科事典操縦法も、何かの新書で覚えたことだと思う。
ボンビーな大学生時代、あるアンケートで、「あるといいなぁ」の筆頭に「平凡社の世界大百科」と答えたことがある。就職して、先輩の部屋で、軽装版の「平凡社世界大百科」が並んでいるのを見て、さすが~と感動した。ときどき借りて使わせてもらったが、記述の信頼性、格調の高さにあこがれた。
時代は変わり、パソコンにCD-ROMドライブが装備されるようになると、CD辞書がブームになった。FM-TOWNSでワープロソフトFM-OASYSをバージョンアップしたときに『三省堂ワードハンター』が付いてきたのには驚いた。だが、実際にはCD-ROMドライブに常時CD辞書を入れておくわけにもいかず、入れ換えが面倒であまり使わなかった。また、Windows3.1のころに米国Compton社の英語版マルチメディア百科事典CD-ROMを購入し試したこともある。結局、日本語Windows3.1では動作せずあきらめたが、Microsoft社の「エンカルタ」が発売されたときには、日本語Windows95で使えることに喜んだものだ。
ただ、当時のエンカルタでは内容が不満足だった。高校生だった子どもの宿題で、ガンダーラ美術のことを調べようとしても、そんな項目は収録されていないのだ。米国の高校生には向いているのかもしれないが、日本の高校世界史の教科書のレベルを網羅してはいない。この頃、平凡社の「世界大百科CD-ROM」を購入してみた。本文用CDと地図・画像用のCDと2枚組となっており、これも入れ換えが面倒だ。そのうちにバージョンアップのお知らせがきてCDと一緒にDVDも届いたけれど、自宅にDVD-ROMドライブはない。指をくわえて見ているうちに常時接続の時代となり、はたと気がついた。
「そうだ、Googleこそ最大の百科事典ではないのか?」
今は、少し違う感じを持っている。ページランクを上げる抹消的なテクニックを駆使して、あまり信頼性があるとは思えないサイトが上位に来たり、ブログなど多数のリンクがはりめぐらされているページが上位にきたりすると、必ずしも百科事典のような信頼性、格調の高さはのぞめない。WEB版フリー百科事典であるWikipediaのような存在(*)もあるが、現状では充分に体系的・網羅的とは言いがたい。結局、平凡社世界大百科CDを調べ、Googleで検索し、相互につきあわせて判断する、という方式に落ち着いている。
(*):Wikipediaについて
考えてみれば、パソコンに費した金額の何十分の1で、平凡社の世界大百科事典が買えたのだが、転勤に伴う引越しで、邪魔物あつかいされてしまうのがオチだったのかもしれない。私には紙ベースの百科事典は所詮ご縁がなかったと言うべきか。