電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

「カレーラス/愛唱歌集」を聞く

2005年11月19日 20時23分21秒 | -オペラ・声楽
連日寒い日が続く。朝起きるのがつらいが今日も出勤日だ。気分を変えて、「君はわが心のすべて~カレーラス/愛唱歌集」を車に持ち込み、がんがんとカーステレオの音量を上げて郊外の通勤路を行く。
カレーラスといえば、一時白血病とかでキャリアを中断したのだったが、治療のせいもあって見事にカムバックした。あの頃、ドミンゴとパヴァロッティとが協力して、チャリティ・コンサートを開き、世界中の白血病に苦しむ人に手を差し伸べた、という報道があり、へぇ~と感心したものだ。
1978年、79年、83年、92年に、イギリス室内管弦楽団やウィーン交響楽団などと録音した、いろいろな時期の歌唱を集めたこのCD(Philips PHCP-9619)は、彼らしい一途さを感じさせる。

(1)グラナダ
(2)ビー・マイ・ラブ
(3)トゥナイト (ミュージカル「ウエストサイド・ストーリー」より)
(4)メモリー (ミュージカル「キャッツ」より)
(5)天使の糧
(6)オンブラ・マイ・フ
(7)トスティのセレナード
(8)マッティナータ
(9)ソラメンテ・ウナ・ベス
(10)君はわが心のすべて (レハール/喜歌劇「微笑みの国」から)

「グラナダ」ではいきのいいところを、「トゥナイト」や「メモリー」ではオペラティックな甘く息の長い歌唱を、「君はわが心のすべて」ではオペレッタらしい華やぎを聞かせてくれる。「メモリー」は大好きな歌だ。以前、NHK-FMで岩崎宏美さんの立派な日本語の歌唱を堪能したこともある。次々と聞いているうちに、今度はパヴァロッティも聞きたくなるし、どうせなら最初の「三大テノール」コンサートのビデオ映像を見たくなる。

時の流れははやい。カルーソーやデル・モナコやビョルリンクなどの時代もあったわけだから、時代の移ろいを嘆くのはおかどちがいなのだが、パヴァロッティのような絶頂期のテノールが衰えていく様は悲しいものがある。せめて、若かった頃の三大テノールを楽しみ、私たち自身の若かった時代も追想することといたしましょう。

写真は、晩秋の山形県郷土館「文翔館」(旧県庁)。内部まで見事に修復されて、ここはとても美しいところです。
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