電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ベートーヴェン「七重奏曲」を聞く

2005年11月29日 21時52分38秒 | -室内楽
若いベートーヴェンの魅力の一つに、作品20の七重奏曲がある。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスにクラリネットとホルンとファゴットを加えた、室内楽としてはやや大きめの編成の作品である。むしろ、もう少しで室内オーケストラに近づくと言っていいほどであり、1799年から1800年に書かれたことを考えると、交響曲第1番を準備する段階とみなすこともできるだろう。

第1楽章は、アダージョ~アレグロ・コン・ブリオ、軽快で親しみやすい旋律を持った音楽。
第2楽章、アダージョ・カンタービレ。冒頭のクラリネットからヴァイオリンに引き継がれる主題もそうだが、クラリネットとヴァイオリンの音色がとても魅力的だ。
第3楽章、テンポ・ディ・ミヌエット。はて、こののどかな主題はどこかで聞いたことがあるような。
第4楽章、主題と変奏、アンダンテ。弦楽器や管楽器が、それぞれの響きを聞かせるだけでなく、組み合わせた音色の楽しさを味わうことが出来る。
第5楽章、スケルツォ、アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ。ファゴットのひょうきんな表情が楽しめる。また、チェロの伸びやかな音色も楽しい。
第6楽章、アンダンテ・コン・モート・アラ・マルチャ~プレスト、のびのびとした開放感あふれる音楽。コーダでは盛り上がって終わる。

演奏はウィーン室内合奏団で、1992年6月にウィーンのカジノ・チェーガーニッツにてデジタル録音された。録音はきわめて自然で、音楽の持つ楽しさ、伸びやかさをよく再現していると思う。同じくベートーヴェンの六重奏曲作品81bが併録されている。(DENON COCO-70524)。六重奏、七重奏、とくれば次は八重奏。シューベルトの八重奏曲も楽しい音楽だ。

参考までに、演奏データを示す。
■ウィーン室内合奏団
I=9'22" II=8'54" III=3'15" IV=7'29" V=3'23" VI=7'07" total=39'30"
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