電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

平岩弓枝『御宿かわせみ24・春の高瀬舟』を読む

2005年11月09日 21時54分53秒 | -平岩弓技
熱ニモマケズ、咳ニモマケズ、喉ノ痛ミヤ鼻水ニモマケズ、アマリ頑強デナイ体ヲイタワリナガラ、寝床の中で平岩弓枝の『御宿かわせみ24・春の高瀬舟』を読みました。
第1話「春の雨」、あな恐ろし他人事ではない老害編。しかし、東吾の息子が身近にいたら、青年期に父を越えようとして苦しむだろう。実際、何をさせても立派な父を持った息子は気の毒だ。
第2話「春の高瀬舟」、鰹のたたきを前にして、三日前に水死した男の遺体の話をする宗太郎。医学生の特徴ですね、これ。
第3話「日暮里の殺人」、日暮里と新日暮里を間違えるのがネタになっている。土地勘があれば面白さもあるんでしょうけれど。
第4話「伝通院の僧」、取り返しのつかないすれ違いの悲劇。
第5話「二軒茶屋の女」、お得意さんを集めた骨董の展示即売会で、三百両が盗まれた。骨董の売買は前の持ち主の恨みを買うからなぁ。ましてや一家が離散し娘が苦界に身を沈めたとあっては。
第6話「名月や」、子どもをほったらかして事故死させるような悪妻よりは、まだ男世帯の方が平和で幸せかもしれない。人によるけれど。
第7話「紅葉散る」、密書を託された大村琴絵とその息子・麻太郎が襲撃され、母親は殺害されるが、麻太郎は香苗の駕籠に隠れていて助かる。麻太郎は、実は刺客を倒した東吾の一人息子であった。この事実を知る者は、母琴絵が死んだ今は、友人・宗太郎のみ。京極家のお家騒動はどうでもよいが、麻太郎が神林通之進・香苗夫妻の養子となることに。待てよ、当面のところはそれでもいいかもしれないが、先々ややこしくないか?(実は異母兄妹の)麻太郎と千春が(そうとは知らずに)好きあったらどうなる?火種を抱えた解決と見る。
第8話「金波楼の姉妹」、同じように美人でも、よく気がついて働き者と、怠け者ですぐくたびれる娘では、ずいぶん違います。

第24巻、東吾の周辺に秘密が深まる、の巻でした。
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