東吾とるいを取り巻く人々の長い長い物語、ついに第26巻に到達。
第1話は、「老いの坂道」といささかドキッとする題名。内容も、「わしでなくては」と意気盛んな老いた元同心が引き起こす困ったチャンの物語。なんとなくどこにでもありそうな話だ。隠居は隠居らしくとおとなしくしていればよいと言われるのだが、当人はまだまだお役に立てると思っているのだから、不幸なすれ違いが起こる。私も、引退したら職場の周辺ではなく、違う世界で生きるようにしましょう。
第2話「江戸の湯舟」、舟に風呂を積み込んで汗を流す商売があったなんて、初めて知りました。お色気よりも垢が浮かんでいる情景が想像されて、あまりいい感じがしません。山形育ちは、やっぱり湯量たっぷりの温泉がよろしいですね。しかもできれば有名大ホテルでなく、湯元のお風呂。
第3話「千手観音の謎」、神林家に伝わる紀州様より拝領の千手観音、香苗がうっかり取り落としてしまう。通之進に知られたくない香苗が、長助に頼んで修理に出そうとするが・・・・。こういうウィットにとんだ結末、私は大好きです。
第4話「長助の女房」、岡っ引の長助が奉行所から表彰されることになり、これに絡んだ人情話。長助の女房おえいのお手柄だが、助けられた神林通之進にぼーっとなる。神林香苗を観音様のようにあがめる長助と、夫婦そろって美男美女に弱いのですね。ほのぼのとしたところもあり、なかなか良い人情話です。
第5話「嫁入り舟」、またまた麻太郎「隠し子」説のネタ。兄夫婦に真相を話そうと出かけたが、思わず涙で絶句。だが、異母兄妹が知らずに好き合ってしまう話が背景にあり、麻太郎と千春の将来に不安をいだかせる。作者は当分の間ネタに困らないでしょう。
第6話「人魚の宝珠」、女性の見かけは若作りでだませるが手はだませないという。そんなことはないだろう。苦労せず水仕事もしなかった人の手と、苦労して水仕事に明け暮れた人の手は、ずいぶん違う。むしろ、声帯は平等に年を取るため、声はだませないというほうが正解か。若い声と中年の声は明らかに違いますからね。
第7話「玉川の鵜飼」、玉川の鵜飼見物に出かけたるいが八丁堀の鬼同心の娘らしさを発揮。
第8話「唐獅子の産着」、わが子を失った老婆の悔しさが起した事件。年老いてくると、昔のことがフラッシュバックしてくるらしい。我が家にも産着があり、宮参りに行った時の写真などを見ると、どうやら親子三代以上にわたって着ているらしいが、幸いにこういう因縁はなさそうなのでありがたい。
写真は、紅葉したドウタンツツジ。
第1話は、「老いの坂道」といささかドキッとする題名。内容も、「わしでなくては」と意気盛んな老いた元同心が引き起こす困ったチャンの物語。なんとなくどこにでもありそうな話だ。隠居は隠居らしくとおとなしくしていればよいと言われるのだが、当人はまだまだお役に立てると思っているのだから、不幸なすれ違いが起こる。私も、引退したら職場の周辺ではなく、違う世界で生きるようにしましょう。
第2話「江戸の湯舟」、舟に風呂を積み込んで汗を流す商売があったなんて、初めて知りました。お色気よりも垢が浮かんでいる情景が想像されて、あまりいい感じがしません。山形育ちは、やっぱり湯量たっぷりの温泉がよろしいですね。しかもできれば有名大ホテルでなく、湯元のお風呂。
第3話「千手観音の謎」、神林家に伝わる紀州様より拝領の千手観音、香苗がうっかり取り落としてしまう。通之進に知られたくない香苗が、長助に頼んで修理に出そうとするが・・・・。こういうウィットにとんだ結末、私は大好きです。
第4話「長助の女房」、岡っ引の長助が奉行所から表彰されることになり、これに絡んだ人情話。長助の女房おえいのお手柄だが、助けられた神林通之進にぼーっとなる。神林香苗を観音様のようにあがめる長助と、夫婦そろって美男美女に弱いのですね。ほのぼのとしたところもあり、なかなか良い人情話です。
第5話「嫁入り舟」、またまた麻太郎「隠し子」説のネタ。兄夫婦に真相を話そうと出かけたが、思わず涙で絶句。だが、異母兄妹が知らずに好き合ってしまう話が背景にあり、麻太郎と千春の将来に不安をいだかせる。作者は当分の間ネタに困らないでしょう。
第6話「人魚の宝珠」、女性の見かけは若作りでだませるが手はだませないという。そんなことはないだろう。苦労せず水仕事もしなかった人の手と、苦労して水仕事に明け暮れた人の手は、ずいぶん違う。むしろ、声帯は平等に年を取るため、声はだませないというほうが正解か。若い声と中年の声は明らかに違いますからね。
第7話「玉川の鵜飼」、玉川の鵜飼見物に出かけたるいが八丁堀の鬼同心の娘らしさを発揮。
第8話「唐獅子の産着」、わが子を失った老婆の悔しさが起した事件。年老いてくると、昔のことがフラッシュバックしてくるらしい。我が家にも産着があり、宮参りに行った時の写真などを見ると、どうやら親子三代以上にわたって着ているらしいが、幸いにこういう因縁はなさそうなのでありがたい。
写真は、紅葉したドウタンツツジ。