評価 (4点/5点満点)
この本で登場するのは「行動を変える7つの原理」です。
1.愛と想像力
2.チャーム
3.答えのないゲーム
4.脱・フレームワーク
5.二項対立
6.論点
7.示唆
これらのキーワードだけでは内容がよく理解できないと思いますが、本書を読むと「わざと」エッジを利かせた言葉選びをしていることが分かります。「感情を揺さぶる」「記憶に残る」言葉を使うことで、少しでも読者の「行動を変えたい」という著者の想いがあります。
また、誰でもすぐに実践できるよう、徹底的に「具体的な」「プラクティカルな」意味のある内容にこだわって書かれています。
BCG(ボストンコンサルティンググループ)に入社したもののクビ寸前の毎日だった著者が、マネージャーにまで昇進できた「本当の意味で考え、行動を変える」コツです。
【my pick-up】
◎「思考」や「行動」を変えたければ、まず「暗記」がスタート
そもそも仕事なんて、「センス」とか「才能」を議論する以前に、「やりゃいいじゃん」の場合がほとんど。「やりゃいいのに、やらない」人に出会う度に、「モッタイナイ、あー、モッタイナイ」という意味を込めて、「バカバッカやな」と叫んでいる。ほんと、バカバッカ、やりゃいいのよ、やれば。暗記してしまえばいいのだ。
◎あれ、どうなった?はサヨナラの合図
「あれ、どうなった?」上司がその言葉を発した時点で、「相手の期待値」=このタイミングまでにほしかった、という期限を超えてしまったことを意味する。付け加えておくと、「あれ、どうなった?」と言われたあとに、「あの資料はできています!」と言って見せるのもアウトなのだ。なぜなら、「できているなら、なんで見せなかったわけ?」と上司に突っ込むスキを与えてしまうからだ。
◎オンラインミーティングで第1声を取る
普通の人であれば、絶対にしたほうが得なのが、オンラインミーティングの「第1声」を必ず、自分が取る!ことだ。画面に打ち合わせ相手が映った瞬間に、「お世話になっております!」と言うだけだ。それをするだけで、相手にチャームを感じさせることができるのだから、これほど簡単でお得な技はないだろう。
◎「フレームワークで考えてください」はバカにされている
なぜ「フレームワークで考えてください」と言われるのか?その理由は簡単だ。期待されていないからだ。
〝自由に発想してもらうと、ホームランを狙えるが、三振もある〟VS〝フレームワークで考えると、シングルヒットを狙える〟
マネージャーは「ホームランを打つわけねーだろ」とあなたに期待しておらず、「期待してないけど、シングルヒット、そこそこの結果は出してくれよ」という気持ちを込めて、「フレームワークで考えてよ」と言っているのだ。
◎「ビジネス書」の良い読み方
読書は、知識を増やすのも、もちろん大事だが、もっと大事なのは「価値観を醸成すること」。大事なところは潜在意識に勝手に残る。だから、メモは取らなくていいし、ましてや二度読む必要もない。読書で一番大事にしてほしいのは、量をこなすことだ。1冊で、2~3個学べたら御の字くらいの認識で、パシパシ読んでいこう。
◎「論点」から考える
目の前にあるタスクは「クライアントの何の論点に答えるための作業なのか?」を常に、自問自答してほしい。僕が、BCG時代に、師匠たちから勝手に学んだのが、「『論点』を大事にしなさい」ということ。ミーティングが始まる前に、「高松さんさぁ、このミーティングの論点は何?」と言われ、ミーティングが終われば、「高松さんさぁ、さっきのミーティングでプロジェクトの論点が進化したけど、理解できている?」と事あるごとに言われていた。どんな仕事にも、常に論点が潜んでいるのだ。みなさんに論点を愛してほしい。仕事を進める上で、論点を強く意識してほしい。そろそろ、「打ち手バカ」「TASKバカ」から脱却する時だ。