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(3点/5点満点)
この本では、稲盛和夫と永守重信を取り上げます。二人とも、京都をホームベースとしつつグローバルに活躍しています。
両者の経営モデルには、以下の3つの共通点があると指摘します。
1.「志(パーパス)」から出発していること。
2.30年先、50年先といった長期目標を立てるとともに、短期的に結果を出すことにこだわり続けること。
3.人の心に火をつけること。
特に重要なのが、1番目の「志(パーパス)」。
自分たちはそもそも何のために存在するのか?誰のために何をしたいのか?どのような未来をつくりだしたいのか?それはなぜか?
稲盛が言う「大義」であり、永守が言う「夢」であり、これこそが〝志〟本経営の中核です。
著者は一橋大学ビジネススクール客員教授の名和高司さん。今後いずれ機会があれば『永守と柳井』などのタイトルでも本を書いてみたいと密かに企んでいるようです。「柳井」とはもちろん、ファーストリテイリング社長の柳井正さんです。
【my pick-up】
◎稲盛=永守の成功方程式の3要素
「考え方」≒JQ(判断指数)、善、エトス、パーパス
「熱意」 ≒EQ(感性指数)、美、パトス、パッション
「能力」 ≒IQ(知能指数)、真、ロゴス、プロフィット
以上のように読み替えると、稲盛哲学と永守哲学が、実はプラトンやアリストテレスから西田哲学、そして現代の最先端の経営モデルにまで通底していることを確認することができる。言い換えれば、この二人の思想がいかに本質的な人知に根差し、かつ時代を先取りしているかがよくわかる。
現代の上滑りな風潮のなかで、稲盛経営や永守経営は、時代錯誤で異質なものに見えるかもしれない。しかしそれは逆に、ガバナンス、サステナビリティ、DX、両利きの経営などといった昨今喧伝されている経営モデルが、いかに本質から逸脱し、時代錯誤に陥っているかを物語っているのである。