評価 (3点/5点満点)
税務署の調査官が税務調査をするとき「申告書や決算書のどこを見て調査先を選んでいるのか?」「会社の何を見ているのか?」を紹介する1冊です。
・国税調査官が儲かっていそうな企業(脱税していそうな企業)をピックアップする場合、最もオーソドックスな方法は「売上が毎年急増しているのに利益が伸びていない」企業を見つけること。(P65)
・税務署員が必ずチェックする勘定科目は「売上」「利益」「現金・預金」くらいだが、数年分の「流れ」で見る。極端な話、「売上」と「利益」を数年分比較してみるだけで、その企業の状態はかなりわかる。(P92~93)
・期末の経理処理の誤りは非常に多く、税務調査で見つかる追徴課税の大半は期末の税務処理に関するもの。「期ずれ」は税収不足の中簡単に追徴税が取れるので、調査官は実績をあげるために頻繁に指摘するようになった。(P145~146)
調査官は「儲かっている(が所得を過少に申告していると思われる)会社」を調査先に選ぶ必要があります。
調査官の多くは、それほど詳しい会計知識を持っているわけではありません。乏しい会計知識の中で、ポイントを押さえて会社の本質を探っているのです。
決算書の数字を参考にしつつ、様々な情報をもとに複数の角度から企業を分析しています。
元国税調査官の著者が、税務調査の手の内の一部を明かしてくれています。