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2024年184冊目 『CFO魂の鍛え方』は、金庫番から経営の羅針盤への役割転換が必要

2024-06-06 09:29:31 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

元松下電器産業副社長で、日本におけるCFOの第一世代とも言える川上徹也さんが、経理・財務のプロフェッショナルとして身につけるべき思考、知識、戦略について紹介します。

 

CFOは、会社の資金をひたすら守る金庫番ではなく、企業価値を維持、向上する役割が求められます。

つまり、経営の羅針盤として、経営戦略に深く関わることが不可欠になっています。

これは徳成旨亮さんの『CFO思考』にも同様の考えが示されています。

 

当時の松下の中村社長とのやり取りも生々しく書かれており、

経理・財務の仕事に関わる方だけでなく、様々な業種・職種で働き、これから経営の中核として活躍する方にも参考となる1冊です。

 

【my pick-up】

◎CFOは日々IRの活動を通じて株主や投資家と向き合う

CFOになったばかりの私は、IRの役割が十分に分かっていなかったように思う。経理部長までの経験、知識では全く対応できなかったのがIRである。海外でのIR説明会の場では、著名アナリストから「中途半端だ」と罵倒されたり、投資家から「株をすべて売却する」と言い放たれたりした。

資本市場は常に先を見る。すでに終わった決算の数字を誇ったり、くどくどと説明したりしても、投資家には響かない。具体的な構造改革のプラン、将来に向けた成長シナリオ、バランスシートのあるべき姿など、これから先の戦略をわかりやすく示していくことが肝要である。そして、どんなに厳しいものであれ、社外の意見にきちんと耳を傾け、それを必要なら経営戦略に生かしていくことである。

◎B/Sを基軸にした経営

経営革新はP/Lからは生まれてこない。P/Lから生まれるのは改善である。B/Sを起点にしてこそ、大胆な革新が可能になる。例えば、棚卸資産(在庫)を劇的に削減しようと目標を定めた時、生産工程での最初のインプットから最終商品のアウトプットまで、すべての過程で合理化、効率化を進め、リードタイムを全体で縮める必要がある。消費者に届くまでの物流の見直しも忘れてはならない。そうした中で、抜本的な経営革新は生まれてくるのだろう。いかなる事業、いつの時代においても、バランスシート中心の経営は戦略の要諦である。

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