評価 (4点/5点満点)
心理学ジャーナリストで、「ハック」ブームの仕掛け人の一人である佐々木正悟さんが、「先送り」とはどういうことか、その心理を分析し、「すぐやる人」になるための方法を50個紹介します。
すぐやれない理由は大きく分けて次の4つ(段階)です。
①選択できていない
いろいろやらねばならない作業がある中でひとつに絞りきれていない。
②決定できていない
本当にそれをする気があるのか?
③準備できていない
やるべきことを決定したのに、実行できないときは「準備できていない」。
④実行できていない
①~③のハードルをクリアしてなお「実行できない」ということはなかなかない。
たんなる気合いではなく、システマティックに「すぐやる人」になれるための身近でかつ実践的な方法は、どれも納得できるものばかりです。
【my pick-up】
◎結果を気にしない
筋トレだって、ダイエットだって、英語学習だって、すぐに結果が出るわけではありません。効果にフォーカスしてしまうと、すぐに挫折してしまいます。
そうではなくて「数」のフォーカスする。何キロやせる、ではなくて、何キロ走る。腹筋が割れるようにするではなくて、毎日100回腹筋運動をする。結果にこだわる次の一歩が出なくなる恐れがあるのです。
◎いまの状況を正直に伝える
とにかくこちらが「動いている」ことを示すことが大切です。示さないと相手にとっては何もしていないことと同じ。見えない仕事はやっていないことと同じなのです。
質はよくないけれども、とにかく期日は守れるという人のほうが好感を持たれ、重宝がられます。カンペキを目指しすぎてなかなか形にならない人は、相手から見ればゼロに等しい。やっていないことと同じととらえられてしまいますから注意しましょう。
◎決める覚悟をする
何かを決めるということは、何かを失うということでもあります。ひとつに決めるということはほかをすべて消し去るということ。決める覚悟をしなければ、何も得られないのです。
◎机の上をゼロにする
私は机の上に何もない状態にすることをおすすめします。毎日、仕事が終わったら、資料などを机の中やキャビネットにすべて片付けるのです。すると朝会社に来たとき、どの仕事をするかを決めないと何の資料を出せばいいかが決められない。必然的にやる仕事を決めるようになるのです。
同様にパソコンのデスクトップもなるべくアイコンを減らしたほうがいいでしょう。どの仕事をするために、どのフォルダを開くのか。それを決めてから資料をひっぱりださないと、何も決めないクセがつきます。
デスクトップにアイコンがずらっと並んでいたり、資料が机の上にいろいろあったりすると「仕事した気」になります。それが危険なのです。
◎すぐやれるかどうかは「快楽」と関係している
「すぐやったことで」快楽を得てきたことの多い人はすぐやる人になります。一方で「すぐやらなかったことで」快楽を得てきた人はすぐやれない人になります。
すぐやらなかったことで、仕事や勉強から逃れて、快楽を得てきた人はすぐやれない人になります。
◎「楽しい」と思い込む
始めてみて実際はつまらないことだったとしても、「楽しい」と思ったことは、すぐに「つまらない」という結論に至りません。人は一度「こうだ!」と思うと気持ちを修正しにくいものなのです。
◎人をなるべく巻き込む
人をなるべく巻き込んでしまうというやり方はうまいやり方です。やるべき作業を、他人とともにできないか、考えてみましょう。
◎見通しをつける
見通しをつけるためにも「少しだけやってみる」ことが必要です。少しだけやることによって、その作業全体がどれくらいの時間で終わるのかが計算できます。