行徳生活日記

「行徳雑学館」作者の日記。

2018年2月3日(土)の日記

2018年02月03日 | 日記

昨日の金曜日も休暇の続き。行徳地域は積雪はなかったが、南岸低気圧が北から寒気を引き寄せて、おまけに日差しもないのでとにかく寒い。昼飯時に行徳の駅前へは行ったが、それ以外は家で旅行疲れを取るためゆっくりとしていた。どうも年齢とともに冬の寒いときの旅行は一泊ぐらいでも堪えるようになってきた。半分は飲み疲れだと思うが。

そして、今日の土曜日はまだ休暇中だが、やはり土曜なので洗濯、掃除にクリーニング出しをやる。

 

そのあとは昨日の続きで休養。

夕方から、この休暇中に行こうと思っていたもう一つの場所にでかける。目的地は船橋。

船橋駅の北口側。

そこから脇の細い道を入っていったところにあるBAR HOPへ。

わざわざ船橋のバーへ来た理由はこれ。店頭にもポスターがあるが、房総ジビエフェア2018冬

自分のタブレットに市川市の広報アプリを入れているが、千葉県全体の情報も届く。2、3週間前に来た分の見出しを見ていくと房総ジビエフェアのことが載っていた。

千葉県も猪や鹿といった野生動物が増え、農作物を食い荒らす食害が深刻になっているので駆除をやっている。でも、捕まえて殺処分するだけでなく、どうせなら食べてしまおうということで、こうしたフェアでアピールしている。

参加店一覧を見ると、船橋の店ではこのHOPで猪料理を2種類出していると分かる。

猪肉は子どものとき一度だけ食べたことがある。小学校の5、6年か中学の1、2年のころ(1970年代前半(昭和40年代後半)頃)だが、デパートの駅弁大会で買った猪肉の駅弁でだった。それを食べて、

「猪って、凄くおいしい!」

と思った。駅弁だから味付けは万人向けだろうし、それぐらいの年齢なら味覚もまだ単純だからそう思えたのかもしれない。でも、そのとき、

「機会があれば、猪の料理をまた食べてみたい。」

とも思った。

だが、猪肉に特別に強い思いが生じたわけではない。そんなものがあれば、とっくの昔に猪料理を出す店を探して食べに行っているだろう。”何となく”レベルだったから、あっという間に40数年経ち、自分も50代後半の歳になってしまった。

とは言え、”何となく”レベルでも意識の中にはずっと残っていたようで、今回の房総ジビエフェアの情報に思わず反応してしまった。そして、行徳から近くて行きやすい船橋の、それも駅近くの店に猪料理2種類があるというので、いい機会だから食べに行こうと思った。

午後6時ぐらいに入ったから、まだ店は空いていた。カウンターの一番奥に座る。

するとそのそばにもジビエフェア宣伝用のスタンド広告があった。

バーテンダーさんにもジビエフェアの情報でこの店を見つけて来たと告げる。すると、お品書きでジビエフェアのメニューを見せてくれた。

バーテンダーさんが言うには、ジビエフェア参加店の情報ページにはスモークローストと黒ビール煮込みの2つだけ載せたが、さらにメニューを増やしてカレーもやっているということだ。

ビールは、外国ビールや国内のクラフトビールをいろいろ用意しているということだが、上の写真で右側に載った3種類がレギュラーメニュー分ということ。

その一番上に載っているエーデルピルスを先ず飲む。

お通し。

料理はジビエフェア参加店ページに載っていた2種類をまず注文。

最初に来たのが、猪ヒレ肉のスモークロースト

結論から言うと、このスモークローストが煮込み料理のような強い味付けをしていない分、昔、猪肉駅弁で食べた猪肉の印象に一番近い。というか、かつての記憶を呼び覚ます感じだった。

猪肉は別に固くはない。そして、噛んでいくと味がじわっと湧き出してくる。それが、牛・豚・鶏よりも強い。子供のときに猪肉が凄くおいしいと思ったのは、これだったのだと思えた。

猪は野生でしかもパワーのある動物。だから、肉も滋養の強さ、いや生命力の強さが含まれていて、それが猪のおいしさなのだろうと思う。

次に来たのが猪の黒ビール煮込み ドルチェ・フォルテ風

店の人が言うには、ヨーロッパでは猪肉の臭みを消すために、いろいろな味を付けて煮込むそうだ。これはそうした料理。肉以外にもシナモンなどが一緒に煮込まれていた。でも、肉を噛むとスモークローストほどではないが、やはり猪感はあった。

厨房担当の店員さんが、このフェアにあわせて房総半島中心にある大多喜へ行き、獲った猪の処理場を見学したと言っていた。解体して冷凍庫に入れるまでの手順が実によく考えられていて、処理の速さに驚いたということだ。畜産の牛・豚・鶏などでも生肉が腐敗したり、細菌に感染したりしないように処理の速さは必要だろうが、まして野生動物はどんな細菌を持っているか分からない。より一層の処理の速さが必要なのだろう。

2杯目のビールを注文。ブリュードック ナイントゥファイブウィザード。レギュラーメニューのビールでない、そのときどきのゲストビール。SmallとLargeがあるがこれはSmall。

3杯目を注文するが、午後7時まではハッピーアワーでレギュラーメニューのビールは安くなっているというので、その中からジェット ブラックハート

野菜が足りなそうなので、野菜のピクルス

そろそろ締めにするかと、次のビールは日本のクラフトビールで、所沢ビール ザ・キャノンボール

そして食べる方は、せっかく猪料理が3種類あるのだから、”乗りかかった船”でもう1種類も食べようと、猪のカレー 15種のスパイスを注文。

カレーも煮込み料理で強い味付けだが、肉を噛むとやはり猪感があった。

40数年ぶりに猪肉を食べて満足感はあったが、バーというところは食事類が居酒屋などよりも高い。お代がいくらになるか気になった。8,000円ぐらい行くのではと予想した。でも、午後7時までのハッピーアワーで安くなるレギュラーメニューのビールを2種類注文したからだろう、税込で6,000円ぐらいだった。

店は午後7時を過ぎてから賑わってきた。若い人間が多いのではと予想していたが、上の年齢の人が多い。中には自分よりもっと上の年代のおばあさんを含むグループもいた。船橋の地元の人に定着している店のようだ。

 

自分が子供のときに食べた猪肉駅弁のことを調べてみる。

育ったのは大阪だったから、その駅弁を買った駅弁大会をやっていたデパートは、確か大阪難波の高島屋。

弁当は丹波篠山(兵庫県篠山市)のJR(当時は国鉄)駅のものだろう。「ジビエ」という言葉を耳にするようになったのはここ数年だが、丹波篠山はそのはるか以前から猪肉の鍋(ぼたん鍋)が有名だった地域。

猪肉駅弁のことを調べると、駅弁のことを書いている個人サイトが見つかり、JR福知山線篠山口駅の駅弁ページ(の下の方)に記載があった。猪のぼたんめしという名前だ。猪肉駅弁としては全国唯一だったということで、自分が駅弁大会で買ったのもこれだろう。

だが、残念なことに篠山口駅の駅弁販売は2012年に無くなってしまったということで、今はもう食べることができなくなっている。

 

それはそうと、今回行ったBAR HOPのあたりは意外にディープな雰囲気の場所だった。

自分は社会人になって以来、東西線の西船橋側に住んでいるので船橋は買い物などでけっこうよく行く場所。だけど基本、行くのは昼間で、夜に飲み屋へ入ったりしたことはない。一度だけ、駅あたりのショッピング街のとんかつ屋で晩飯を食べて、そのときにビールの瓶1本かジョッキ1杯を飲んだような覚えがあるぐらい。

船橋の市街というと、JR船橋駅から南へ延びる大通りの脇道、裏通りあたりが昔からの市街でディープな場所というイメージを持っていた。駅の北口側、東武デパートやイトーヨーカドーとその周辺は、整然と区画整理されたエリアというイメージ。

ところが、駅前のバスターミナル周囲の道からBAR HOPへ入っていくあたりは、南口と同じようなわかりにくい細い道を通っていく。

店を出て、HOPの一つとなり(船橋駅側)の店を見ると、ビルの1階だが、まるで昭和の時代の木造建物にある食堂か飲み屋のような外観。行きはHOPの場所を見つけるのに意識が向いていて気がつかなかった。

あとで調べると、いっきゅうfunabashiという居酒屋。

さらにそこから駅前のバスターミナル側へ出るのは細い路地。そこには八十郎商店というバル。

こちらはチェーン系で都内などにもあちこちにあるようだ。

船橋駅北口もバスターミナルの東側、JR高架のすぐ北側のエリアは細い路地が行き交う、南口側と同じようなディープなエリアだった。そういう場所に店ができるのは、意外性のアピールや客にも隠れ家的な店を知っているという”通”感覚を感じさせるためかもしれない。