仕事に行くときより10分か15分遅いぐらいの時間に出かけて、品川へ行く。
品川駅前のウィング高輪で朝飯にする。
マクドナルドもあるが、その向かいのアートコーヒーでもモーニングセットがあったのでそちらにしてみる。道路わきのオープンテラス席で食べる。こういう朝飯もたまにはいい。前が交通量の多い国道だから、排ガスも多いはずなのだが...
午前中は品川プリンスシネマで見る。実は最近まで品川プリンスホテルにシネコンがあることを知らなかった。ウィング高輪を抜けてホテルの敷地に入ると急な坂が始まる。品川駅前の国道を渡るとすぐに高輪の台地への斜面となっているのだ。その坂の途中が入口。ビルの3階にあたる。
昨夜、ネット予約しておいたが、他のシネコンにあるようなタッチスクリーンを装備した発券機はない。予約完了のメールにQRコードがJPEG画像で添付されていて、それをカウンターの上の小さな読取機にかけると横の小さい発券機からチケットが出てくる。
予約完了メールはパソコンで受けたので、PHSに転送した。QRコードの画像が表示できるかやってみたが、なぜかできなかったのでパソコンで受けたほうをプリントアウトしてきて、それを読取機にかざす。そのあとで、携帯(かPHSか分からなかったが)の画面にQRコードを表示して読み取らせていた人もいたから、やり方があるのだろう。
午前中に見た映画は「次郎長三国志」。
そんなに面白いとは思わなかった。むしろ、自分の親の年代が若い頃に見ていた時代劇映画は、こんな感覚のものだったのだろうというのを確認してきたと言ったほうがいいだろう。
この映画は津川雅彦がマキノ雅彦の名前で監督をやっている。津川雅彦は自分の親よりも何歳か年下だが、ほぼ同じ年代。観客もそれぐらいの年の老夫婦がほとんどだった。鈴木京香演じるヒロインお蝶の臨終シーンでは、斜め前あたりにいたおじいさんが、
「可哀想だよな、可哀想だよな」
と独り言のようにつぶやく声が聞こえてきた。その年代の人は、このような感じ方をするのだろう。
では、自分はどうかというと、年代的には次郎長役の中井貴一や敵役側の大ボス黒駒の勝蔵役の佐藤浩市が同年代。自分の年代だと、次郎長の恋女房の名前が「お蝶」と聞くと、つい後ろに「夫人」と付くのかと思ってしまう。別に鈴木京香が劇中で自分のことを「わたくし」と言ってはいなかったが。(この部分が分からなかった方はこちらを参考にしてください。)
見に行った理由は、やはり鈴木京香が出ているから。それにしても、鈴木京香は作品によってはキャリアウーマン役をやったりもするが、古風な女性役がはまる。これは持って生まれた素質だろうと思える。
でも、今回の作品を見て思ったが、お蝶以外の女性は、どうもみんな現代的なのだ。現代といってもここ30数年ぐらいといったほうがいいだろうか。自分が9歳か10歳ぐらいになって、子供向けの番組だけでなく、親が見ているドラマを一緒に見るようになったのは大体1970年ごろ。その頃はちょうど、世間ではウーマンリブが大流行していたころだ。「現代的な」女性はそれぞれの時代にいたのだろうけど、ウーマンリブが流行って以降は変わり方が急になったような印象がある。その1970年代以降のいろんな作品に登場したような女性たちという印象だ。
お蝶の臨終シーンではその女性たちのうち3人がいたのだが、そのまま敵討ちの殴りこみに一緒に参加するのではないかと思えた。でも、昔ふうの映画だからそんなことはない。そう思えたのは、自分が特撮やアニメで戦うヒロインを数多く見てきたからだろう。
お蝶役の鈴木京香だけが古風な感じの女性という点から、約2年前に見た「男はソレを我慢できない」という映画を連想した。この映画でも鈴木京香が浮世離れした(だから、時としてコミカルにもなってしまう)古風な女性をやっていた。やはりそういう役にはまる女優なのだろう。
津川雅彦はこの映画が好調なら続編を作る腹づもりだと思えた。今回、最後に倒される悪役は竹内力で、大ボスの佐藤浩市との大決戦はお預けだったから。ということは、続編でそちらを描こうと思っているのかもしれない。でも、客の入りは悪かった。新聞広告で公開劇場は、関東地区なら最初のほうに都内の主要映画館の名が並び、そのあとに郊外タイプのシネコンの名がちょっと小さい字で並ぶ。品川プリンスシネマは最初の主要映画館のほうに入っていた。その映画館で、朝9時半からの上映とはいえ、日曜日で公開2日目である。閑古鳥が鳴くとまでは言えないが、その寸前ぐらい人が入っていない状態だったから、続編はちょっと無理かもしれない。
映画が終わって昼飯は品川駅前のつばめグリル。ここのつばめグリルに前に来たのは約8年前だった。
今回はジャーマンハンブルグステーキを食べる。
渋谷へ移動し、ユーロスペースへ。
「東南角部屋二階の女」を見る。
登場するのは、主人公が20代後半の男女(男2人、女1人)。そして、自分の親ぐらいの年代の老人が3人。(いや、塩見三省だけはもうちょっと若い)
若い男2人がけんかする場面もあるが、全体は淡々とした雰囲気で話が進行する。若者と老人が交流するうち、次第に気持ちが変化していく。
こういう作品は自分の好みに合っている。物語の描き方による部分もあるだろう。それに、40代後半になっているというのに、20代後半の不器用な若い人間に不思議と共感できるし、見ているうちに感情移入してしまう。自分にもまだ20代的な青臭い部分が残っているのかもしれないし、あるいは単に懐かしく感じるからなのかもしれないのだが。
帰ってきて、晩飯はにゃがにゃが亭に行く。
7月か5月に来たときは、お通しキムチはなくて、ピリ辛もやしが自動的に出てきた。ところが、今回はキムチかもやしを聞いてきた。それで迷わずキムチにする。
いつからかは分からないが、復活したようだ。
ラーメンのほうはトッピングを追加しないオーソドックスなとんこつ醤油のらうめん。
そして、明日からまた仕事だけど、1日やれば祝日で休みだ。