日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

ネパールから戻ってきました。

2017-06-21 08:31:22 | 日本語学校
雨。

うちを出るときには、止んでいたのに、着くと少し経ってから、急にざっときました。今日はこんな調子で一日中、降ったり止んだりということになるのでしょう。

さて、先週末から今週初にかけて、強行軍でネパールに行ってきました。

面接は、かねてからの三校の学生達のみ。とはいえ、疲れました。まず、行くまでが辛い。帰ってから翌日が「A,B、Dクラス」の授業が続き、これも疲れた。それから、ネパールでの面接も、相手が余り理解できていないことが多くて、リキが入ってしまい、これも疲れた。相手の学生も、教師の方も、これほど厳しく言われるとは思っていなかったでしょう。向こうも少し参ったかもしれません。けれども、どうでもいい、とにかく日本へ行ってしまえば(やってしまえば)、こちらのものだという学生だけは、いただけません。そのために、辛い思いまでして行っているのですから。

前回、面倒だった広州での乗り換え、入国審査なんども、今回は香港経由で、同一飛行機会社ということもあり、それもなし。香港での乗り換えはあっという間に終わり、帰りのお土産を見たり、余った時間は喫茶店で飛行機を見て過ごし、あまり疲れずに済みました。

ただネパールでの面接が疲れた。「N5」に合格しているというのに、「ひらがな」が書けない、自分の名前が「カタカナ」で書けない…という二人が含まれていたので、倍も疲れた…。

間に立っていたネパール人教師も愕然とし(彼が教えていなかったようです…。「N5」に合格しているというので引き受けたらしい)、すぐに自分が猛特訓をし、来日までに、きちんと筆順正しく書けるようにするから…。

そういえば、一時、ベトナムでもそういう学生によく会いましたっけ。『みんなの日本語』第五課くらいで、「N5」の試験を受け、合格すれば、それで終わり。「N5」は、別に印籠でも何でもないんですけれどもね。試験も受けていないのに、面接で「私は明日試験を受ける。問題ない。絶対に合格出来る」などと言った、「五課」くらいまで勉強した大卒の女性もいましたっけ。すぐに厳しく責めると、むかっ腹を立てて、「そっちの学校には行かない」と喚いていましたっけ。そう、あんなのは来てもらいたくない。適応力もゼロでしょうし。

こういう人が来日してしまうと、あとが大変なのです。日本語云々の問題ではなくなるのです。

以前は、ベトナムでも、「(最初のころは)おかしいな。合格しているのでしょ。あれは『25課』が終わらないと解けないはずなのだけれども…。何もわからないなんてありえないのだけれども」などと、今から考えれば、愚かとしか思われないようなことで悩んでいました(国や民族が変われば、それぞれ、教え方を変えなければなりません。それでこちらの問題ではないかと思ったのです)。

まあ、彼らの「からくり」がわかってからは、きちんと「25課」終了後に受験させるベトナムの学校を探し(「50課まで教えてから日本に送り出して欲しい」と頼んでいます。ベトナムの学生はヒアリングが余りよくないし、文法の理解力も劣っている人が少なくないので、一度ベトナム語で教えてもらっておいた方がいいのです)、今ではそこから二,三人送ってもらっています。

もちろん、「50課」まで教えたことになっていても、学生に聞くと、「合格がわかってからは、それほど気を入れてやらなかったから、『30課』くらいまでは大丈夫だけれども、50課までは…」というのが少なくないのですが。

けれども、「25課」までの内容を問う「プレスメントテスト」では、300点以上とれるようになっています。

ただ、ネパールでは8課くらいで試験を受けさせているようですから、試験用の対策のみで終わっている学生が少なくないのでしょう。

そういう学生が運悪く、来日してしまうと、さあ、大変です。こちらも大変、向こうも大変。

今回、そういう学生がいたので、その二人に、かなり厳しく言ったのですが、そのうちの一人は、「自分の学校の先生が悪い」とむくれていました。それで良いと言われたのに、そう思っていたのに、どうして厳しく責められるのだというところなのでしょう。

これは当たり前のことです。私たちは「日本の入管に認めてもらうために、合格していればいい」という日本語学校の「事務方」の人間ではなく、学生が来日して私たちの学校に来れば、嫌でも教えなければならなくなる「教える方」の人間だからです。だから、勉強の習慣がついていない人は来てほしくない(つまり、勉強する気のない人)。こちらが必死に教えても、左耳から入って右耳から出てしまうような人は願い下げです。

向こうでも何度も繰り返したのですが、出来れば大学へ行きたいという学生が欲しい。もちろん、専門学校でしか身につけられないような技術もあります。ですから、もし専門学校へ行きたいのなら、日本人ばかりが行くようなところを目指して欲しい。

ネパールの学校が、私たちの要求に応えられるような学生を送ってくれるといいのですが。

日々是好日
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今週、ネパールへ行くという... | トップ | 「困ったさん」は、毎期出て... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本語学校」カテゴリの最新記事