日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「N2」に合格できたと、大学に入った学生から知らせが来ました。

2016-01-28 08:50:58 | 日本語学校
晴れ。

今日まで晴れだということです。
お昼には、14度くらいまで上がるとか。一昨日も昨日も、そして今日も風がありませんから、余計暖かく感じられるのかもしれません。

さて、昨日、朝、授業が始まる前のことです。

去年の三月に卒業して江戸川大学に入った「スリランカ人学生」から、電話がありました。
これは珍しいと手に取ると「いい知らせです」と開口一番、人を喜ばせるようなことを言う。

そして実際に、私たちを喜ばせてくれました。「『N2』に合格しました」

この学校にいたときは、面倒見はいいし、優しいし、何でも手伝ってくれるし…、その面では本当にいい学生だったのですが、なかなか大人になれないところがあって、つまり頑張りがあまり効かなかったのです。

けれども、真面目でしたし(皆が真面目だと、真面目にやりはじめる。が、周りが遊ぶと自分もすぐ遊びだす)、相手の気持ちが分かる人だったので、大学に入って、日本人の友だちができ、日本のことが体験的に判り始めたら、変われるかな(ほんの少しですけれども、期待を込めて)くらいに思っていたのです。

日本語学校にいたときは、「漢字が嫌い」でした。私がブウブウ言うと、「先生、本当に嫌いね。でも、判るからいいね」で終わり。「N2」がとれるほど頑張れるとは思っていませんでした。

ところが、頑張るようになったのですね、大学に入ってから。

その時に、(彼は)「大学の先生は本当に親切で、日本語を一生懸命に教えてくれる」ということと、同時に、「数学も判らなかった。一緒に(この学校から入ったフィリピン人学生と)、『先生、判りません』と言うと、先生達が根気強く教えてくれた。だから助かったね。少し判るようになったね」と例の口調で話してくれました。

そして、昨日、江戸川大学の先生からメールが入っていました。

彼だけではなく、その前の年に入った二人のベトナム人学生も「N2」に合格したのだそうです。

本当にありがたいことです。

ベトナム人学生はスリランカの学生と違い、漢字は努力して覚えられても、日本語文法がなかなか身につかないのです。音が掴めないということもあるのでしょうが、日本にいてもなかなかその利点が活かせないのです。

その彼らも頑張れたということは、大学の先生方の努力のおかげです。

日本語学校に一年半ないし二年ほどいても、漢字を覚えるだけで精一杯の人や、文法がなかなか身につかない人も、多くいます。この「言語習得」というのは、得手不得手があって、短期間にグンと伸びる人もいれば、コツコツやっていても、なかなか芽の出ない人もいます。

一昨年の12月には、この学校からも、スリランカ人学生とベトナム人学生が一人ずつ「N2」に合格できました。一人は、特別、言語のセンスがあったのでしょう、おしゃべりでしたし…。そしてもう一人は、ここまでストイックに頑張れるかというような、猪武者的なベトナムの女子学生でした。

二人とも、普通よりかなり頑張りがきくというか、必死に勉強できたのです、アルバイトも他の学生と同じようにしながら。この点、この学校に多くいる、普通の(ちょっと定義はむずかしいのですが、平均的な)日本語学校の留学生とは違っていました。

スリランカの学生は、割と楽に「N3」まではいけるのです。毎日、一応、学校に来さえしていれば、それほど真面目に勉強していなくとも、アルバイトで覚えた日本語くらいで、合格できるような…気がしているのですが…(これは、多分、母語の関係でしょうね。日本語とかなり近いのです)。もちろん、自分では日本語がうまいと思っていても、全く試験の埒外にいる学生もいます。

それに比べ、ベトナム人学生は、(日本語の)音がとれぬから文法が定着できないのか、文法がよく判らないから音も二重にとれなくなるのかはわかりませんが、彼らにとって、在学中に「N3」に合格するというのは、至難の業(ほとんどの学生が、「あいうえお」から始めますから)のような気がします。

けれども、大半のスリランカの学生は「N3」をとっても、それで終わり。あとはレベル的に見れば、落ちる一方です。一見、こなされた日本語を話しているように感じられるのですが、ちょっと注意して聞いていれば、簡単な文法を使い回しているだけであるということがすぐに判ります。それに引き替え、ベトナムの学生は次があるのです、比較的コツコツできる人が多いので。もちろん、「N3」までの道は険しい。しかし、「N3」をとった後、引き続き勉強していけますから、「N2」もいけるし、おそらく「N1」も視野に入れられるのでしょう。

本当に、あきらめずに続けていれば、きっとものにできる。言語なんて、誰でもある程度はできるのものなのですから。ただ「結果を出す」ことは難しい。それなりにまた別の努力もしなければならないのです。

日々是好日
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