晴れ。
街の桜も、うっすらと周りに溶け込むような色合いになっています。若葉の間に隠れるように花びらが見えているからでしょうか。青空に映えて、こういうのもいい。
さて、今日から新学期が始まります。「新学期が始まる」と言いましても、参加するのは留学生ではなく、今、日本にいる人たちだけです。ネパールの人が三名、スリランカの人が一名、ミャンマーの人が二名。併せて六人。おそらく、「いろは」からの人が大半でしょう。
「『N4』まで勉強した、…話では」の一人(ネパール人)は、「ひらがな」を見ても、「はてな?」という顔つきをしているし、何を聞いても無反応なので、こちらが首を傾げてしまう。「来られるなら、上のクラスの授業を聞いていてもいい」と言うと、来た。…けれども、すぐにクラスにいるネパール人と大声で話し始めた…。最初は遅れてきて大きな声で話し始めたので、「静かにしなさい」と言うと、なぜか睨む。なぜ注意されたのかわからない…ように見える。すると、同国人が、ネパールではこれが普通だというのです。が、まあ、そういうことはないのでしょうけれども。というわけで、こちらも心の準備が必要になる。留学生の場合とは違う心の準備が必要になるのです。
まあ、何やかにやで、おそらく、勉強したことがあるというのは、ミャンマーからの二名だけでしょう。どちらにせよ、「いろは」から始めますから、いいのですけれども。
この人たちも留学生が揃えば、彼らと共に勉強することになりますから、きちんと勉強しておかなければ大変だと思うのですが、なかなか、そう思ってくれる人がいないのです。「勉強したというのは、学校に来て、座っていること」と思っている人も少なくないのです。
日本に関する情報どころか、日本語に関する情報も耳にしたことがない人は、日本語には、「ひらがな」、「カタカナ」、「漢字」といった三つの文字があるということも知りません。で、まず「ひらがな」だけで、アップアップしてしまい、中には、覚えることをやめて、耳と口だけに集中するという人も出てきます。
留学生はそれでは済みませんから、きつく言うこともできるのですが、在日の人の場合、適当にやる気で来ていることもありますから、それができない…場合もある。で、まずはクラスを見、様子をうかがってから、こちらの態度を決めるしかない。とはいえ、彼らの中には大学進学を目指すという人も含まれているようですから、あまりにこやかに楽しくばかりとは行きますまい。どちらにせよ、最初にがつんとやるか、じわじわとやるかクラスを見てから決めるしかありますまい。
ということで、今日から新学期が始まります。
日々是好日