ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

ラ・ロシュフコー公爵傳説

2019年05月05日 18時25分42秒 | 本の中から
10連休も明日で終わる。
この間どこに出かけることもなく読書と野良仕事で過ごした。
大型連休は家の中でごろごろするに限る。
「ラ・ロシュフコー公爵傳説」(堀田善衛・著)を読んだ。
ラ・ロシュフコーは「箴言と考察(格言集)」1冊だけで世界文学史上に名前を出す、稀有なあるいは幸運な例だ。
というわけでロシュフコーについては「箴言と考察(格言集)」以外に何も知らなかった。
伝記を読んでみると、文学者ではなくほぼ生涯武人だった。
時代も30年戦争とフロンドの乱~戦に明け暮れた動乱の時代。
それでいて、同時代人にデカルト、パスカル、ラ・フォンテーヌ、ラファイエット夫人、コルネイユ、モリエール、ラシーヌ・・・1世代前にはモンテーニュ。
宰相リシュリューやマザランがいた時代、あの三銃士(ダルタニアン物語)の時代。
そして太陽王ルイ14世とベルサイユ宮殿ができる時代。
フランス史上でもとっても輝いた時代だった。

そこでラ・ロシュフコーは武人としておおいに活躍するのだけど、それはおいといて、「箴言と考察」の話。
高校時代この本を夢中になって読んだ。
格言集に魅かれる世代というものがあるものだ。
この本だけでなく、ビアスの「悪魔の辞典」とか芥川龍之介の「侏儒の言葉」とか夢中に読んだものだった。
そして今「ラ・ロシュフコー公爵傳説」を読み、この本の中には当然、「箴言と考察」数々の格言が引用されているけど、少しも魅かれなかった。
たしかに「格言」というものは一面の真実が含まれている。
でもそれはあくまで一面でしかない。
中身はそれを読む人によって変わってくる。
それは人を色眼鏡で見る、人にレッテルを張る行為にも似ている。
人にレッテルを張ってみる人はその人の一面しか見ていない、見方が浅いのだ。
人を見るには前からだけではだめで、後ろから斜めから・・・いろんな角度から見る必要がある。
そこで格言やレッテルだけでは言葉が足りない。
それ相当の字数が必要なのだ。





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