ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

チボーケの人々

2019年05月02日 19時02分49秒 | 本の中から
「チボー家の人々」を読んだ。
「チボー家の人々」は中学生や高校生が読む本だとばかり思っていたので、
読む時期を逃し、気になりつつも、今まで読まないで来たのだった。
でもこのまま読まないで終わるのもなんか気残り。
そこで思いきって読むことにした。

読んでみると、それなりに楽しかったし、少なくとも中学生や高校生が読む本だとばかりは言えないと思った。
もちろんもうこれを読んでも今では熱中することも感激することもない。
でも高校時代にこれを読んでたらきっと感激してただろうなと思った。
ただ当時とは時代が違う。
今の中学生や高校生はこの本はきっと読んでいないだろう。
ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」なんかは今でも存在意義はある。
でもソ連の崩壊以後、ジャックの行動にどれほどの人が共感を得るだろうか?
コミンテルンや共産主義への幻想はもう終わったのだ。
今では負の記憶、負の遺産しか残っていない。

日本では戦争というと第二次世界大戦、そしてたま~に日露戦争。
日清戦争や第一次世界大戦はまず文学・映画・演劇で取り上げられることはない。
ところがヨーロッパでは第一次世界大戦だ。
この前読んだ「失われた時を求めて」も「チボー家の人々」も最終章は第一次世界大戦で終わる。
ヨーロッパの貴族たちもあの映画の「ベニスに死す」で象徴的に死んだように、
チボー家の人たちも、貴族ではなかっただろうけど、第一次世界大戦で終わる。

時代が平成から令和に移ったとき、
時の流れを感じている。
時の流れを傍観しながら・・・
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