ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

山羊の功罪(2)~草刈り

2015年11月17日 18時37分56秒 | 山羊の話
草刈り目的のために山羊を飼う人は多いと思う。
でもみんなヤギの草刈りに満足しているのだろうか?
草場まで引っ張っていこうとするとヤギは必ず反対側に行こうと足を踏ん張って逆らう。
4つ足動物の踏ん張る力ってとっても強い!
そのうち根負けして、まあいいか・・・と、草が乏しいところにつなぐ。
向こうのほうがずっと草が多いのになぁ・・・

親の心子知らず、山羊飼いの心山羊知らず。
そう、もう知らんもんね!と、そのままつないでいるとすぐに大きな声で鳴き出す。
めぇ~~~!(草がないぞ~~~!)

それに外につないでいると天気が悪いときは気が気ではない。
山羊は雨が大嫌い!
ちょっとでも雨が降ろうものならたちまち「めぇ~!めぇ~!!めぇ~!!!」と山羊に呼びつけられる。
それでいつもはらはら空を見つめていた。

そのうえ山羊は脱走が大好き!
田舎の害獣というと鹿と猪。
幸いここでは猿も熊もいないので(たまに目撃情報はあるけど・・・)害獣というと鹿と猪。
でも我が家では最大の害獣は山羊だった。
つないでいた杭を抜き畑の野菜を食べる。
そのため今までどれほど家族の非難を浴びてきたことか!
悪いのは山羊なのにどうしてこのぐうたら百姓が非難されなくてはいけないのか?
この不条理にどれほど苦しめられてきたか。

それで山羊は柵の中に放し、こちらはもっぱら山羊のために草刈りする、
なんかちょっと変?と、疑問に思いつつも、それが一番精神的に楽だった。

それに山羊の草刈はいつも虎刈り。
好きな草しか食べない。
それもちょちょっと先を摘まんではすぐに他の草を食べようとする。
いい仕事をしてくれたら山羊にバイト代を払ってもいいと思ってたのに、こんな仕事じゃ払う気にはなれない。
それでヤギは柵の中に入れて草刈り機(愛称:山羊いらず)でもっぱら草を刈っては山羊にやっていた。
なんか変・・・と疑問に思いつつもそれが精神的に一番楽だった。

山羊を除草に使う事業を起こした話・・・よくニュースになるけどうまくいったところがあるのだろうか?
いつも見かけるのは「実験中」の看板。
山羊を除草に使うよりもバイト代を払って人間を使ったほうがずっといい仕事をするし採算も合うと思うよ。

というわけで山羊がいなくなった今、
ふと気づいたら山羊の柵の中も草だらけ。
今まで柵の中まで草刈りするなんて思ってもみなかった。
もちろん柵の近くも草だらけ。
やっぱり草刈りに山羊も少しは役にたってたんだなぁ~

そして今気になるのが草刈り作業。
今までは草刈が大好きだった。
だって刈った草をヤギが喜んで食べてくれる。
でも今ではただ刈るだけ、とってもむなしい作業。

というわけでヤギが草刈りしてくれるのではなく、
草刈りする人間をヤギが励ます。
これこそ草刈り目的で飼う人の一番の山羊の役割だったのではないだろうか?とつくづく思う。
コメント (2)
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