イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

加太沖釣行

2021年12月12日 | 2021釣り
場所:加太沖
条件:小潮 6:35干潮
潮流:6:37 下り1.9ノット最強 9:51転流
釣果:ヒラ1匹 タチウオ 2匹 (画像なし)

今日はいい天気だ。そろそろお正月の鯛を確保しなければと思いつつ、イワシが余っていて小潮で風がないとなると最後のタチウオという考えも浮かぶ。そして、どうもこの考えが今日の残念な結果に結びついたようである。

タチウオは遠くに行きたくないので紀淡海峡のこちら側で釣りたい。そして朝は下り潮なので今日は非武装ポイントからスタートし、潮止まりの時間前後ですぐ近くのアイヤマでタチウオを釣ろうと考えていた。

田倉崎を越え、ジノセトに向かう途中は明らかに潮の流れがある。



それは船の速度がてきめんに落ちることでわかるのだが、もともと潮の流れは少ないだろうと思っていたがこれだけの流れがあると期待が持てる。
船団がジノセトの上手にできていたのでそこに混ざってスタート、しかし、周りはほぼすべて帝国軍だ、けっこう過密状態なので落ち着いて釣りができない。



ここをすぐにあきらめて非武装ポイントの山の頂上付近へ移動。ジノセトでは下りの潮がはっきりしていたが、打って変わってここはほとんど流れがない。



アジサバらしき反応もないので高仕掛けに替えてみたけれどもこれもアタリがない。これだけ潮が流れていないならタチウオも釣りやすいのじゃないかとすぐに移動を決断。
アイヤマを目指すが、なぜか船の姿がまったくない。風も波もないのできっと洲本に行ってしまっているのだろうと考え、もし、ここで大漁ならタチウオを独り占めだとかなりポジティブな思考が頭をよぎる。さっそくテンヤを落とす。しばらくすると、海底から10メートルの範囲で真っ赤な反応が出てきた。



いったいなんなのだろう・・。タチウオではないことは間違いない。ここは水深80メートル前後の場所なので、ひょっとしたらこれはアジサバの大群ではないのだろうかと再びポジティブな思考が巡ってくる。仕掛けをサビキに替えて下してゆくとすぐにアタリがあった。これは見事に予想が的中して、ものすごい金の鉱脈を掘り当てたのじゃないか、ひょっとしてこの秘密は僕だけのものじゃないかと3回目のポジティブな思考が生まれる。引きは大したことがないが、それはきっと水深が深いからだろうというのは4回目のポジティブな思考だ。そして魚の影を見た時、これは大きい、でも、見るからに薄い・・。タモで掬ってみると、まったく見たことのない魚だ。コノシロが巨大化したように見えるし、ニシンの拡大コピーにも見えるし、アロワナの出来損ないのように見える。深海魚のように目は大きなレンズ状になっているし、鱗はすぐに剥がれてしまうのでイワシの親玉のようにも見える。ますます変な魚だ。これは食えるのだろうか・・・。
体力のない魚らしく、デッキの上でのびてしまっているのでそのまま放置して反応が続いている海底に仕掛けを下した。今度もすぐにアタリ。かなりの引きだ。今度はきっと青物に違いないと思ったら、同じ魚が4連で上がってきた。



魚探の反応はすべてこの魚のもののようだ。ここで留まっていた時間は30分ほどだったがずっと反応は続いていた。いったいどれほどの数の魚がいたのだろう。テレビのドキュメンタリーや写真集で見るような魚の群遊がこの真下で繰り広げられているに違いない。これはきっと壮大な景色に違いないが、壮大な景色でもタチウオが釣れなければ意味がない。ここは燃料を使ってでも洲本に行くしかない。
釣った魚に貴賤はないと思っているのだが、これを全部持って帰るのはきつい。おそらく生き延びることはないのだろうが1匹だけ試食のために残して海に還して洲本に向けて出発。

洲本でも釣れていないのか、日曜日なのにそれほどの船の数はない。しかも1か所に集まってしまっている。



僕の経験からだと、船が1か所だけに集まっているときは釣れていない時だ。釣れないので、数隻が偶然集まっているのを見て、あそこは釣れているに違いないとほかの船がどんどん集まってくるのだ、これも人の心理なのだろう。

案の定アタリはほぼ無いに等しい。たまにアタリがあっても相変わらず鉤には乗らない。なんとか2匹釣り上げ、転流時刻から1時間が経過したので、アジだけでも釣って帰ろうと加太に戻る。



帰り道のルート上にあるポイントのほうが都合がいいので四国沖ポイントへ。潮は上り潮のはずだがまったく流れがない。風も波もなく、気温は12月と思えないほど暖かい。デッキチェアに背中を預けてぼ~っとしているともう居眠りをするしかない。こんなことをしていても魚が釣れることはあるまいと、午前11時半に終了。




今日の状況ではおそらく朝は第2テッパンポイントからスタートして洲本へ回るというのが妥当なところだったのではなかったのだろうか。アイヤマへ行こうとしたというところが躓きのもとであったのだろうと思う。結局、360円のイワシを使うために1000円分以上の軽油を無駄に焚いたことになってしまった。
そして、燃料を無駄に焚いた引き換えに釣り上げたくだんの魚だが、いつもの通り家に帰ってわからないことはSNSだとアップしてみると、釣果欄に書いたとおりの名前の魚であるということがわかった。名は体を表すという見本のような名前がついている。
さばいてみると、おなかの中には大量の脂が入っている。これは意外と美味しいのではないかと期待が持てるのだが、魚の姿形から想像する通り、小骨がものすごく多い。この辺はなさそうだと思うところだけを取り出すと半分くらいの量になってしまった。



不味い魚でもこうすればそこそこ食べられるだろうと、蒲焼風にしてもらった。調味料は去年「わかやま〇しぇ」でもらってきた謎の調味料だ。謎の魚は謎の調味料で調理するというのは道理にかなっているというものだ。
食べてみると不味いことはない。まったく癖のないあっさりした味だ。ただ、やっぱり小骨が多い。もう、小骨を発掘しながら残った身を食べるという感じである。骨の発掘に集中するものだから、普段から会話のない夕食がもっと会話のない夕食になってしまった。
下あごの半分がなくなってしまった母親には無理をして食べるなというのだが、それでも食べようとする。これも性か・・。



食事のあとであらためてネットで調べてみると、骨切りをして食べると美味しいと書いてある。旬は冬らしいのでまさに今が旬だ。ただ、この小骨のせいでほとんど食用にはされていないとのことである。それでも岡山県あたりではよく食べられているとのこと。
また、別名がおもしろい。有明海では「長崎ターポン」と呼ぶらしい。チャンポンのパクリだ。確かにターポンにも似ていないことはなさそうだ。「ヘタレ」というのは陸に揚げるとすぐに動かなくなってしまうからだろう。
体は薄いとはいえ、50センチ近い長さがあるので身はまあまあの厚みはある。だから骨切りをするという発想はなかった。今度釣ったらきちんと骨切りをして食べてみようと思う。
デッキもヌルヌルして汚れるのであんまり釣りたくはない魚だが・・。

コメント
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