鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

犬も猫も食わない中国製ソーセージ

2008-02-23 | Weblog
 写真家の藤原新也が営団地下鉄の無料配布のフリーパーパー「metro min」2月20日号に連載している「撮りながら話そう」で、中国・上海に行った知人がそれなりのいいホテルの朝食の記念にに持ち帰った魚肉ソーセージを犬に食わせようとしたら、食わないという怖ろしい話を書いていた。筆者がそのソーセージをもらっていつもいかなるものも食べてしまう野良猫に与えたところ、猫またぎというか、一瞬臭ってそのまま無視した、とも書いていた。猫は独特の嗅覚で危険を悟ったのかもしれない。犬猫が食わないソーセージを人間が食べていたのである。
 イージス艦の漁船への衝突事故で主役の座を譲った感のある中国製餃子事件は日本政府の対応のまずさも手伝って一向に進展しない。中国・天洋食品の冷凍餃子に続いて今度はソースかつ冷凍食品から基準を超える有機リン系農薬ホレートが検出された。神奈川、静岡、山梨の6生協dえつくるユーコープ事業連合が販売する冷凍食品「レンジDEロールソースかつ(アスパラ入り)」から基準値の4倍のホレート1.2ppmを検出した。製造元は19日に大阪市が業務用冷凍食品「青島ニラ肉焼まん」から「メタミドホス」が検出されたと発表したニッキートレーディングと同社関連会社が100%出資する「山東仁木食品」である。
 ユーコープ事業連合では早速、同製品の回収と製造元が同じ「れんこんのはさみ揚げ」、「ニッキーフーズ プチ肉まん」についても製造中止と自主回収に乗り出した。
 事件が発覚してほぼ1カ月になるが、いまだに中国側は「日本か、中国のどちらで仕掛けられたか、わからない」としらを切っている。先週初めて、大臣クラスの唐家旋国務委員が来日して、福田首相らと対策の協議の場についたが、謝罪しているふしはうかがえない。
 今回の件の責任は中国側にあるとこれだけ事実がはっきりしているのに相変わらず、のらりくらりとした中国側の姿勢は理解に苦しむ。まるで、拉致問題で「もう解決した」と繰り返し述べる北朝鮮の態度と相通ずるものがある。外交とは常に原則を盾に譲らない、という一時代前の国際政治理論を聞く思いがする。時代錯誤という点では中国と北朝鮮は共通したところがあるようだ。
 それにしても日本政府、および日本国民の態度は生温い、と言わざるを得ない。仮に、これが立場が逆だったら、とっくに中国では日本製品ボイコットの市民デモや焼き討ち事件が起きていることだろう。ところが、日本人は温和な優しい性格のせいか、中国に対してあくまでも紳士的な振る舞いに徹している。日本政府の首脳からは中国を責める言葉は出てこない。なぜか、中国に対しては弱腰にすら見える。お父さんの世代が第2次世界大戦で中国に対して南京大虐殺などの事件を起こしている、という贖罪の気持ちがあるからののだろうか。それはそれで、きちんと言うべきことを言わないと、今度同じような事件が起きた時にものが言えなくなるのではなかろうか。
 すでに日本国内では中国製食品はボイコットする動きが出ていて、スーパーの店頭からは中国製食品は姿を消しつつある。人間もやっと犬猫の嗅覚に近づいてきたようだ。
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