鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

経済オンチぶりを露呈した石原慎太郎

2008-02-21 | Weblog
 東京都が1000億円を出資して開業し、経営不振に陥った新銀行東京は20日、都から400億円の追加出資を受けることを柱とした再建計画を発表した。人員や店舗を削減し、11年度に単年度黒字をめざし、同時にここまで経営を悪化させた前経営陣の経営責任も追及する、という。これについて本当の責任を追及するのは言い出しっぺの石原東京都知事であるの間違いなく、こと経済に関しては全くの素人であることが判明し、場合によっては知事の辞任にもつながりかねない。
 新銀行東京は石原知事が03年4月の知事選で公約、中小企業支援を目的に05年4月に開業した。が、原則無担保・無保証の融資で焦げ付きが多発し、07年9月の中間期決算で936億円の累積赤字を計上、この3月期には累積赤字が1000億円を超え、債務超過に陥り、中小企業を助けるどころか、自ら倒産するというみっともない事態に追い込まれることになる。
 同行は6店舗、従業員460人いるが、わずか3年でどうして総経費を大きく上回る赤字を計上したのか、理解できない。銀行業である限り、預金者から預金を集めて利息を上回る利子で融資して、その利ざやで稼ぐのが原則である。普通の銀行なら必ず担保を取るのだが、選挙で無担保・無保証を唱っているので、担保が取れず、めくら判を押して貸しまくったのだろう。融資をする以上、相手先の経営実態や将来性、経営陣のヴィジョンくらい確かめた上で行うのが原則だ。それもせずにただ融資実績を上げようと、格好ばかりつくってきたのではなかろうか。所詮は素人のビジネスだったのだろう。
 それに石原知事はかつて東京に店舗を持つ資金量5兆円以上の銀行に対し外形標準課税を実施し、2000年から3年間に3173億円徴収したが、銀行側の反発に遭い、訴訟となり、東京高裁で違法と判断され、結果的には和解で2344億円を返還したことがあった。この1件で、銀行業界には石原知事には一切協力しない機運が残っていて、新銀行東京に人材の供給はおろか、営業面でもなんら協力しなかったのではなかろうか。
 新銀行東京は店舗を1つに集約し、人員も段階的に120人までに縮小するという単なる経費削減だけでは業績を回復できないだろう。前経営陣への責任追及といっても累積赤字が減るわけでもないし、そんなだらしない経営陣を任命した石原知事の任命責任こそ問われるべきだろう。絵に描いた餅でなく、実現性のある計画こそ示すべきだろう。それが明確なものでない限り、一刻も早く、会社を畳むべきだろう。石原都知事は「このまま放っておくと債務超過になってしまう」と暢気なことを言っておらずに、ここはあっさりと「経済は知りませんでした」と頭を下げるべきだ。
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