鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

都会の一角でゆったりとした時間を

2008-02-07 | Weblog
 6日は東京・虎ノ門の菊池寛美記念 智美術館で開催されている「十四代柿右衛門展」を見に行った。数日前の読売新聞に紹介されているのを読んだのだが、ホームペ-ジを開くと、丁度ホテルオークラの背後にあたる地点にある、とあった。平日の昼時とあって、人影は閑散としていて、お寺のお堂のような入口を入ると、ひっそりとした佇まいのなかにそれらしき美術館があった。受付のような台の前に女性が座っており、「お一人さま1300円です」という。ちょっと高いな、とは思ったものの、ここまで来て引き返すわけにはいかない。料金を払うと、「会場は地下1階です」と案内する。螺旋形の階段を下りていくと、照明を落とした暗い会場の正面にすぐに柿右衛門とわかる赤い彩色の白い大きな壷が置いてある。
 黒檀の床の左右に陳列棚が作られていて、その上に十四代柿右衛門作の白を基調とした陶磁器が並んでいる。花瓶、鉢、皿、香炉、蓋物など60ばかりの作品で、いずれも制作年代は最近のものばかりである。出口に十四代柿右衛門の年表が掲出されていたが、まだ存命の作家である。
 有田焼のなかで柿右衛門がどのような地位を占めているのか正確には知らないが、こうして独立展が開催されるのだから最高峰の一人に数えられる作者であるのは間違いない。
 来る前はもう少し年代物もあるのかと期待したが、いずれも見るからにきらびやかな最近作と思わせるものばかりで、ややがっかりした。陶磁器は時代を経た古色蒼然としたものでないと感動しない。鈍想愚感子は焼き物に関しては見る眼がない、ということなのだろう。
 それにしても昼下がりのひと時を都会の真ん中で、陶磁器を眺めながら、ゆっくりと過ごすのも悪くはない。受付でもらったパンフレットを見ると、菊池寛美記念 智美術館は2003年に竣工したばかりで、多分亡くなった菊池寛美なる実業家を偲んで、持仏堂と一緒に建立された、とある。1階にはレストランのようなものも併設してあり、親しい人とゆったりと過ごすには最適の空間となっているようだ。
 
コメント
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