鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

ガソリン税の使用を石油開発などエネルギー確保に

2008-02-05 | Weblog
 国会は揮発油税(ガソリン税)の延長をめぐって紛糾している。今年3月末に暫定税率課税の期限が切れるため、自民党は一時的にガソリン税の暫定税率を法案成立まで延長する、いわゆるブリッジ法案の提出を検討したが、民主党など野党の強硬な反対に遭い、衆参両院の議長提案で引っ込めた。年金、食品の安全、そして景気低迷と難問が山積する局面なのに国会はガソリン税一色となっている。福田首相はかつて丸善石油(現コスモ石油)に勤めていたことがあり、石油づいている、と揶揄する向きもあるが、いささか舵取りが狂っているようだ。
 そもそもガソリン税が道路特定財源となったのは昭和29年4月なので、以来暫定といいながら53年も続いてきている。制定当時は全国の道路網が整備されていなかったので、それなりに意味はあったが、いまや津々浦々に道路網が発達し、道路建設・整備の必要性は政治の優先順位からいって低い。なのに議員先生は道路となると目の色を変えて必死になる。それだけ票につながるからであるが、ガソリン税を道路特定財源としていること自体もう見直すべきである。
 道路特定財源としてはガソリン税のほか、軽油税、石油ガス税、自動車取得税、自動車重量税があり、総額3兆5500億円にものぼるが、その80%はガソリン税が占める。本来負担すべき自動車関連税は5700億円に過ぎない。
 家計調査によると、一世帯当たりのガソリンへの支出は月6221円で、自動車保有世帯は全体の57%なので、自動車保有世帯では月1万円の支出となる。仮に3月末でガソリン税が廃止されると、1リットル当たり24.5円安くなるので、世帯当たり月に1835円下がることになる、という。
 ただ、日本のガソリン1リットル当たりの税金は61円で、米国の12円よりは高いが、韓国の111円、フランスの133円、ドイツの142円、英国の149円に比べれば安い。しかも欧州ではここ20年くらい趨勢的に上がってきている、という。
 環境面からいっても、ガソリンの価格を引き下げることはないだろう。となると、ガソリン税の用途を道路建設としているのを改めるべきだろう。日本のエネルギー自給率は3%そこそこしかない、石油に至ってはコンマ以下である。この際、ガソリン税は石油開発、もしくは産油国への経済協力にこそ使い、原油調達に直接結びつくことに限定すべきである。一歩譲ってもエネルギー確保に関連することにすべきだろう。当の石油業界が道路特定財源とすることに賛成しているのは歯がゆいことである。
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