鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

うまくいくのか、マンガ雑誌の2、3位連合

2008-02-29 | Weblog
 出版大手の講談社と小学館がマンガ雑誌で提携することになった。共同でマンガ雑誌を創刊するというものだが、業界の1、2位企業がこうした提携に乗り出すのは極めて異例のことで、出版業界のマーケットが年々縮小している象徴ともいえる。27日の午後7時のNHKニュースが報道し、翌28日に各紙が追いかけたのも異例なことであった。
 講談社は1959年に「少年マガジン」を創刊し、「巨人の星」や「あしたのジョー」などを連載し、ピーク時には420万部の発行部数を誇った。一方の小学館の「少年サンデー」も同じく59年に創刊され、「「オバケのQ太郎」や「名探偵コナン」などを連載、最高200万部発行した。しかし、雑誌の10年連続の前年割れの販売金額減少の波をかぶって、このところ発行部数はいずれもピーク時の半分以下に落ち込んでいる。
 そこで決まったのが両社で新雑誌を発行しよう、という計画。新雑誌はマガジンの「金田一少年の事件簿」とサンデーの「名探偵コナン」から過去の人気作品を選んで掲載する。4月から3カ月間、月2回発行する、という。会社としては業界1、2位であるが、ことマンガ雑誌では集英社の「少年ジャンプ」がナンバーワンで、2,3位連合ということになる。詳細は3月中旬に明らかにされるようであるが、新雑誌と既存の「少年マガジン」と「少年サンデー」の棲み分けはどうするのか、よくわからない。全体にマーケットが縮んでいるなかで、とても期間限定の提携がうまくいくとは思えないか、背に腹はかえられない、というわけか。
 マンガ雑誌はほとんど広告を載っけないので直接関係ないが、電通の調べによると、雑誌広告はいまやネット広告に抜かれてテレビ、新聞に次いではネット広告ということになっている。雑誌に限らず、人はお金のかからないネットを志向しつつある。マーケットとしての雑誌の低迷は広告にも及んでいるわけで、マンガ雑誌の提携の背後にある根は深そうなだ。
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