とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

伝道師となった真珠湾攻撃隊長

2009-07-25 22:36:55 | 社会人大学
社会人大学5回目は、元・NHKディレクターでジャーナリストの中田整一氏の講演であった。「2.26事件」や「太平洋戦争」などの現代史を中心にしたドキュメンタリー番組を担当した人であり、今回は、中田氏が近年編集した「真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝」の話であった。

中田氏は、真珠湾攻撃総隊長だった淵田美津雄が生前したためていた自叙伝を発掘して、真珠湾攻撃66年目にしてその真相を本にして初公開したのである。この淵田美津雄という人の話はラジオの深夜番組でも紹介され、大きな反響を呼んだということだ。

さて、今まで歴史の舞台には表立って登場しなかった淵田美津雄という人はどんな人であったのだろうか。簡単に紹介してみよう。

○真珠湾攻撃隊、360機を率いてハワイ上空からトラトラトラを打電した男
○ミッドウェー海戦時、艦上で病に倒れ沈没する空母から九死に一生を得た男
○海戦史上名高いレイテ湾突入作戦を、連合艦隊参謀として構想した男
○航空参謀として原爆投下の前日まで広島に滞在し、7日に爆心地に入った男
○敗戦に抵抗した厚木基地を解放し、そこにマッカーサーを出迎えた男
○降伏調印式を戦艦「ミズーリ」号で、屈辱のうえに目撃した男

その後、淵田美津雄海軍大佐は終戦6年後、突然、キリスト教に回心し、平和の伝道者として憎しみの連鎖を断つよう、アメリカ中を回り人々に訴えたのだ。「戦争と平和」、「奇襲攻撃とキリスト教伝道」と、人生を二度生きた男として、その生き様は興味深い。

海軍でも名文家の誉れが高かった淵田美津雄海軍大佐の文章は、臨場感あふれ読み応えもあり、歴史的資料の価値も高いそうである。中田氏の講演では、淵田美津雄海軍大佐の自叙伝の発掘から、本として刊行するまでの話だった。戦後日本の歴史の中でも、このような人物がいたとは初耳であり感動する話だ。機会があったら「真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝」を読んでみたいと思った。