とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

塩見岳2日目

2009-07-23 22:21:33 | 山登り
三伏峠小屋を5時半に出発する。三伏峠は、まだ真っ白い霧の中である。

この日も雨具を着用して歩き出した。

樹林帯の中をしばらく進み、本谷山に着いた。

平坦な山頂も樹林帯の中で展望は見られない。さらに立ち枯れ木がめだつ尾根道を進み沢に着いた。ここから直登でコケの多い登山道を登り、塩川新道の合流地点を過ぎると塩見小屋に到着した。

塩見小屋は、予約なしでは泊まることができない小さな小屋である。定員は30名程度だ。まずは、受付を済ませ寝る場所の確保だけはしておいた。小屋から塩見岳往復で2時間弱はかかるので、小屋に荷物を置いて山頂アタックすることにした。相変わらず天気は悪く、雨も止んでいない。風もかなりあり、先日の北海道での遭難事故があったばかりで不安もあったが、小屋が直ぐ近くにあり荷物も軽くなったので慎重にいけば大丈夫と判断して山頂に向かった。

塩見岳は二つのピークがあり、三角点が置かれた西峰が3047m、最も高い東峰は3052mある。天狗岩を越えた辺りからアルプスらしい岩稜地帯となり、三点確保で慎重に岩を幾つも乗り越えて上を目指した。

ときおり横殴りに吹く風は、雨をあられのように容赦なく顔に当ててくる。雨に打たれた顔が痛いくらいだ。横だけでなく下からも突き上げるような風にも吹かれ体を低くした姿勢でなければ前に進めない時もあったが、なんとか1時間ほどで二つの峰を制覇した。


晴れていれば、360°の大パノラマの見える場所だが、まったく見えずホワイトアウトの状態だ。記念写真だけ撮ると即座に下山を開始した。

40分ほどで小屋に戻った。小屋では、部屋の準備がまだできていないということで、なかなか部屋に入れてもらえなかった。雨風で体が冷え着替えを直ぐにしたいところだったが、しばらく待たされてやっと部屋に入ることができた。この日も午後からは、予定がなく小屋で夕食を待つだけであった。天気の回復も遅れているようであり、小さな小屋の中では、眠るか話をして時間を過ごすしかない。別のパーティの人たちと山談義をしたりして長い時間を過ごした。

塩見小屋では、初めて体験したことがある。それは携帯トイレの使用だ。ここでは、し尿の処理が大変だということで、トイレを使用する場合は全て携帯トイレを使用するようになっている。宿泊者には、男性が1セット、女性には3セット無料で配られ、それ以上欲しい場合には有料で購入する。使い方は簡単で、袋を便座の中に装着してから普通に用を足すだけである。その後、袋を紐で閉じて漏れないようにしたら、所定の容器に入れておくだけである。他の山小屋のトイレに比べると、トイレ内がきれいで臭いもないので環境にはいいことだった。溜まった携帯トイレの袋はヘリで運び出すそうである。山小屋でのトイレ事情は、どこも大変な苦労があるのだ。

さて、夕食が済み消灯の7時半が過ぎてからの夜が長かった。小さい小屋だけに寝返りを打つと隣の人に当ったりするのであまり足も動かせない。何度も時計を見たりして眠れない夜を過ごした。唯一の希望は、翌日の天気予報が晴になるという情報だった。幸い自分の気圧計も上昇傾向に転じていたので、晴を期待して夜明けを待った。