とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

上信越の名山「高妻山」

2009-07-13 23:34:11 | 山登り
梅雨の最中、はっきりしない天気予報だったが二日前の天気予報で曇りとなっていて雨マークがなかったので、前から計画していた日本百名山の一つ「高妻山(2353m)」に行くことにした。百名山としては55番目の山となる。

ガイドブック等を見ると、9~10時間のコースタイムとなっており「ちょっと行って来るよ」と言う訳には行かない山としてなかなか決行できずにいたが、意を決して行く事にしたのだ。夕方早いうちに家を出て、登山口の戸隠キャンプ場に着いたのは午前0時前だった。長い歩行時間を考えて早朝4時起床で5時に歩き出した。登山口は、戸隠牧場の柵を越えた場所から始まる。入口で登山届けを提出して出発だ。

(写真は、柵を越え振り返って撮影。人がいるところが登山届けを出す建物だ)
辺りはすっかり明るく牧場内では馬が群れを成して走り回っていた。

また、牛ものんびり牧草を食べあさっていた。


牛が出ないように柵がしてあり、そこを抜けるといよいよ本格的な登山道となる。落葉樹の森に入ると沢を幾つも渡るようになる。思ったより水量が多く、飛び石を渡っての歩きが何度も続く。沢歩きがこれほど多いとは思っても見なかった。大雨の時であれば、沢歩きは危ないかもしれないと思った。幸い石を渡っていけば何とか前に進めたのでよかった。

やがて、滑滝という大きな岩の上を流れる滝の横を渡ることになる。端に鎖が張られているので鎖伝いに岩を駆け上がる。

水量が多いと水しぶきで濡れてしまいそうな場所だ。鎖も長く濡れた岩を滑らないよう慎重に登った。そして、更に進むとこのコースでは一番の難所と思われる帯岩のトラバースにかかった。大きな岩は濡れていて滑りやすく、鎖が何本もぶら下がっていて、一本つかみ、移動すると次の鎖を掴むといった感じで、慎重にトラバースした。

ホッとしたのも束の間、続けて出てくる不動滝の岩場登りも結構足を掛けるとこが難しく無理やり鎖を掴み這い上がった。

難所を越えると、ゴロゴロした岩場を歩くようになる、沢から外れだす頃、最後の水場がある。「氷清水」という湧き水があり、氷のように冷たく美味しい湧き水である。氷清水で喉を潤し、一がんばりして一不動と呼ばれる避難小屋のある場所に着いた。ドーム型の避難小屋は無人で、緊急時のみ使用し通常は使わないようにとの但し書きがあった。


一不動からは戸隠山と高妻山のどちらにも行くことができるが、迷わず高妻山に向かう。ここからは、二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵と名前が付けられた場所があり数を追って進む。三文殊の辺りではニッコウキスゲが咲き出していた。

また、サラサドウダンの樹もたくさんあり花を一杯つけていた。

五地蔵の先にある五地蔵山からは、黒姫山や妙高山が間近に見えた。

(黒姫山)

(妙高山)

この先は、更に六弥勒、七観音、八薬師、九勢至と続く。アップダウンが幾つもあり、かなり疲れてきている。九勢至から先を見上げるとはるか遠くに大きなピークが見えた。一つ山を越えて来たのだが、本命はもう一つ先の山であった。標高差にしてあと300mを登らなくてはならない。雲も厚くなり、小粒の雨がぱらぱら降り出してきた。雨が酷くなる前に山頂に着こうと更に頑張って前に進んだ。高妻山最後の登りは、かなりキツイ登りだ。ほぼ直登の斜面を一気に300m上がっていく。岩場も多く歩きにくいが傾斜が緩くなったところで最後の十阿弥陀についた。5時から歩き出して着いたのが9時35分。ここまでで4時間35分かかった。山頂は、更に5分ほど先であったが、ついに山頂到着。天気も今一だったので簡単に食事をすませ、山頂写真を撮って下山することにした。

山頂からは、白馬岳等の北アルプスがうっすらと展望できた。


下山は、もと来た道をそのまま下りる。後半の鎖場や沢歩きが心配だったが、無事通過して午後2時に登山口の戸隠牧場に着いた。延べ9時間、実質歩行時間は8時間弱くらいでコースタイムよりは1~2時間ほど早く下りることができた。いつの間にか空は晴れ渡り、雨等降りそうもない上天気になっていた。牧場の人に「この時間で下りて来られるとは健脚ですね」と褒められたのが嬉しかった。ほとんどの人は朝5時に出発しても下山は午後4時から5時くらいになるそうである。牧場ではソバソフトクリームを食べ戸隠そばをお土産に買って帰路に着いた。高妻山は、かなり歩き概のある山で、沢歩きや岩登り、尾根歩きとバリエーション豊かな上信越の名山であった。