弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

【裁判例】 おとり捜査協力したのに逮捕…損賠33万円

2010年08月27日 | 法律情報
一瞬耳を疑うような内容なのですが、次のようなニュースが配信されています。

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 知人が企てた強盗計画を佐賀県警に知らせて「おとり捜査」に協力したのに逮捕され、事実と異なる報道発表もされて精神的苦痛を受けたなどとして、佐賀市兵庫町、中古自動車販売業原一弘さん(39)が、県を相手取り330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、佐賀地裁であった。
 野尻純夫裁判長は県警の過失を認め、県に33万円の支払いを命じた。
 訴状などによると、原さんは2007年7月21日、知人の暴力団幹部から強盗に協力するよう求められ、犯行日の運転手役と目出し帽の準備を指示された。目出し帽を購入するなどしたが強盗したくなかったため、同28日の犯行予定時刻の約2時間前に佐賀署に赴き、強盗計画を密告した。
 しかし、同署の刑事から予定通り計画に加わるよう言われ、暴力団幹部の指示通りに別の男3人を車に乗せて押し入る予定の民家に到着したところで署員らに全員が取り押さえられた。同署は、現場にいなかった暴力団幹部を含め計5人を強盗予備容疑で逮捕した。
 同署は、原さんら4人について「強盗目的で道具を持って民家に行った」などと発表。原さんは20日間拘置され、佐賀地検は不起訴とした。原さんは「逮捕、拘置され、肉体的、精神的苦痛を受けた。警察の指示に従ったのに虚偽内容で発表され、名誉を傷つけられた」として08年3月に提訴した。
 県警側は「密告を知られることなく強盗を阻止する方法はほかになかった。強盗予備罪が成立し、自首にあたる」と主張して全面的に争っていた。
(2010年8月27日14時27分 読売新聞)

おとり捜査協力したのに逮捕…損賠33万円
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裁判所が認定した県警の「過失」内容がよく分からないのですが、何故、県警がわざわざ制止せずに実行を指示したのか根本的によく分からないところがあります。
(いわゆる警察の点数稼ぎに利用されたか?)


分からないことだらけですが、まぁ、警察を信じても、簡単にひっくり返されてしまう典型例ということでしょうか。
警察といえどもアテにしてはいけない…って何を信じればいいの!?


インターネット・電子(IT)取引、労務・労使・労働問題、フランチャイズ、広告法務、債権回収を中心業務にしている弁護士湯原伸一のホームページはこちらです。


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