リベルテールの社会学

生きている人間の自由とは、私の自由と、あなたの自由のことだ。そして社会科学とは、この人間の自由を実現する道具だ。

知識の倫理的敗北

2009-06-07 22:21:37 | 行為
 こんばんは。1週間余計に経ってしまいましたね。ここんとこ給料を貰って体を動かす幸運に感謝しているところでありますが、体がなまってもおりまして、気づかない疲れもちょっと溜まっているようです。

 今日も本来忙しかったところですが、昨日はもっと気疲れで。
 3つ4つあった気疲れの原因の最大が、カラスの子供。
 勤め先が都内とはいえ田舎で、気づいたら近くにカラスなんかがおりまして、その巣からヒナが落ちた。ヒナったってでかいやつで飛び損なって落ちたまんまウギャーウギャーと甘えた声を出しながらわずかに歩くんですが、親が2匹、どうしようもなく隣りの建物にとまって、近づく人間に上空から襲い掛かるんですね。
 そいつが私の勤務先の直下なんで、敷地の管理人はいるんですが、関係ないとばかり勝手なことを言うだけ。私んとこは、お客やら第三者やらが突っつかれたらこっちのせいにされるんで、はてさてどうしよう、なんて状況。
 なんとか排除しろ、清掃事務所が持ってってくれる、とかいうやつは言うんですが、そんなことしたらヒナが死んじゃうじゃんかよ。
 とはいえ、子供でも突っつかれて血でも出されたらネットで会社が散々にいわれるかもしれない。
 とりあえず注意の貼り紙を幾つもプリントして雨ん中貼り出したりしつつ清掃事務所でなきゃ保健所だ、区役所だ、都庁だ、っていろいろ説はありながら、お願いしたところは消防署。
 消防署のみなさんは、いい人たちで、ほんと、救命に生きる人たちなんでしょうね、改めて感心したところですが、だからといってどうしようもなく、ウロウロしてお客のいるほうへいかせないように大きなダンボールの上部だけ開けたのに隔離してとりあえずの終了としました。
 運がよければ飛び立つし、まあふつうはそのまま死んでしまうのか、とは思いますが。さてどうなりましたか。

 ま、ここまではコーヒーブレイク。
 
 問題は、知識的には落ちたヒナには肉でもやればいいものなのに、隔離して人間に害なくさせるところが私に講ぜられる方途だった、ということです。
 つまり私的には利害関係的に敗北すること。まあいつもですから平気ですけどね。
 
 平気ではありますが最大のストレスでもあります。
 私はカラスなんか大嫌いですけどね。
 どのくらい嫌いかというと出勤前ゴミ捨て場に寄ってくるカラスをいつも威嚇するもんだから、カラスに頭を蹴られるくらい嫌い。蹴られる前から嫌いです。
 だけど、相手は赤ちゃんだし、また、赤ちゃんの親ですからね。親も大変ですよ。人間のガキが、やめろって貼り紙出したのに、ちょっかい出そうとするし。そのたびばたばた羽を鳴らしながら排除しようと、って、何時間もやってられないよね。

 でさ、そんなかわいそうなカラスに同情してるのは私だけかよ、みたいな状況。
 さすがにどうしてもゴミ回収にこだわるやつはいなかったし、消防署を選んだ社員は良心的だったからだと思うけどね。
 
 さて、かのように、「鳥のヒナ」をめぐる全ての知識は、現実の前に意味をなくすのであります。
 「なくしたのはお前だけだろ。一緒にするな」っていう評価をできる人は本当であれば好きですが、そんなやつはみんな嘘つきでね。やれやしない。
 知識が利害と一緒になるとき、それが未来につながる救いであり、あるいは同様に、その時代での叛乱を押さえる「救い」であるわけです。
 「こうやれば正義が達成できる」ということが、現実に自分が生きることと適合する、ってことですね。それが『歴史と階級意識』という命題です。
 もちろん、その前提は、自分についても同様の利害関係者であるということですね。頼るのはお釈迦様ではない
 ○○でもない、
 と書こうとしたけれど、そんないい人間て釈迦だけなんですね。キリストもマホメッドも、カラスのヒナとは全く無関係の冷酷な存在ですね。どうでもいいけど。
 かつ、釈迦っていっても日本に言い伝えられた釈迦だしね。

 などなど、今日もそれが影響してました。今日は今日でストレスでしたけどね。
 
 で、わずかな救いは、同じビルの、ほとんど顔しか知らない別の社員とトイレで会って、私が当該策に賛成したとは知らないその人から
 「あのカラス死んじゃいますね」
 といわれたことです。私も「そうなんですよね」って答えただけですけどね。
 つまり、カラスの威嚇攻撃だけが話題になっている世間で、こいつにはヒナの話題をフレるな、と思われたことがうれしい。だいたい、それまで周りじゅう「捨てちゃえ」派みたいだったし。
 後で「なんだよ、あいつがやったのかよ。偽善者め」って思われるかもしれませんけどね。

    ふうん、偽善者かもね、そこには興味ないけど。


コメント
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