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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

【おまけ】 中国完敗という悲観的ブログ

2010-09-27 23:59:34 | Weblog
 先日、海外のブログコメントの中に、日本も結構やるじゃないか、という論調のものがある、という記事をお届けしましたが、中国国内にも「中国完敗」という内容のブログがあるという記事がありました。

 おなじみ中国ブログを紹介するサーチナからの記事です


---------------≪ ここから引用 ≫--------------

【サーチナ/中国ブログ】尖閣諸島問題、船長釈放でも「わが国完敗」の理由 2010/09/27(月)
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0927&f=national_0927_106.shtml

 中国ではこのほど、那覇地検が24日下した、沖縄県尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突事件における中国人船長の釈放処分に対する関心が高まっている。また、一部では、釈放された船長の「尖閣諸島にはまた機会があれば漁に出る」などという発言を報じ、「戦勝ムード」を盛り上げるメディアもある。

 しかし、中国国内在住の中国人ブロガーは、「それでも中国は完敗」などと、中国の対応の“手ぬるさ”をバッサリ「斬って」いる。

 ブログ「張小潔の幸福生活」では、「同文章が削除も覚悟の上」として、今回の衝突事件を「日本が完勝した5つのポイント、中国が完敗した4つのポイント」などと分析。日本の「完勝ポイント」については、◆尖閣諸島での日米間の安全保障や日本の領有権の主張において、米国から「確約」を引き出した◆尖閣諸島における中国政府の「出方」を探ることができた◆衝突問題における船長の釈放が検察庁の判断であり、日本政府の判断ではないことから「外交問題ではない」との日本の姿勢が強調された◆日本国内の反中感情をあおることに成功した◆自国社会における様々な矛盾に対する、中国人の「鈍感さ」を日本人に知らしめた――などを挙げ、日本政府の“したたかさ”を強調している。

 一方、中国の「完敗ポイント」は、◆領有権の侵害という最も大きな主権侵犯に対して、大使の召還や国交断絶などの厳しい措置を取らなかった◆経済制裁を発動しなかった◆同問題に対する国内の世論をコントロールし切れていない◆日本政府から謝罪や賠償を引き出せない上、船長をチャーター機で自ら迎えに行っている――などとし、中国政府の対応を「手ぬるい」と厳しく指摘した。(編集担当:金田知子)

---------------≪ 引用ここまで ≫--------------


 外交にはヒートアップする国民感情や国民世論を上手に対外的な武器として使うとともに、ときには相手国の国民感情からそちらにしか動けないという状況を自国の利益に繋げるようなしたたかな力量が必要ですが、日本はどうでしょう。


 中国では「勝った勝った!」という論調が多く、日本では「負けた負けた」という論調が強いのですが、それぞれ中には世の中の論調とは正反対のことを言いたくなる天邪鬼もいるということだけなのかもしれませんが。

 ギリシャ神話では、トロイの王プリアモスにカサンドラという娘がいましたが、彼女はアポロンに愛されて予言の力を授かったもののアポロンに冷たくしたことで、その予言を誰にも信じてもらえないという呪いをかけられました。

 往々にして正しいことを言う予言者は世の中に信じてもらえないという呪いを背負ているのかもしれません。 
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エリートとは何か

2010-09-27 23:26:21 | Weblog
 私の「なでしこU-17の応援とツイッター」という記事を読んで、知人のKさんから、「福島のJFAアカデミーでは全国から集まっているサッカー選手、なでしこの卵たちが頑張っていますよ」というコメントをいただきました。

 紹介されたJFAアカデミーのサイトを見ていると「エリート」という単語が出てきました。ともすると鼻につく特権意識と見られがちな「エリート」という単語をあえて使うことで、JFAアカデミーでは選手の育成に対する確固たる哲学を示しています。

 素晴らしいのでちょっとだけ引用を。

---------------≪ ここから引用 ≫-------------- 
JFAアカデミー 「はじめに/フィロソフィー」より
 http://www.jfa-academy.jp/philosophy/





 私たちは、現代の日本であまり使用されることのない「エリート」という言葉を使っています。

 私たちは、この言葉に対し、日本では強い抵抗感があると感じています。しかし、そこを敢えて使っているのです。

 現在の抵抗感は、本来のこの言葉の持つ意味を離れたところで生じていると感じています。本来のエリートとは、決して特権階級を指すのではなく、先頭に立って社会に貢献する義務を負うリーダーを指しているのです。

 また、日本の教育は戦後、大衆化、平等化の方向をとりました。これはある時期必要なことであったと思いますが、現在、社会的なリーダーの不在およびその育成の必要性がうたわれ始めており、国を挙げてエリート教育に取り組む国も出てきています。

 ボトムアップとプルアップという言葉があります。ボトムアップとは、文字通り底上げです。プルアップとは、エリート教育の成果を還元し、社会全体を引き上げていくという考え方です。

(…中略…)

 私たちは、サッカーという競技の特徴を把握した上で、子どもの発育発達の特徴を研究し、「長期的視野に立った育成」という観点から、それぞれの年代ごとに重点的に取り組むべきこと、適した方法等について、検討を重ねてきました。サッカーについて、そしてサッカー以外の部分について、子どもの頃にこそ取り組ませたい大切なことがたくさんあるという認識に至りました。子どもは小さな大人ではありません。子どもにはそれぞれの年代で子どもに合った取り組みがあります。それを踏まえ、それぞれの年代で最適な環境・指導を与えることが重要です。

 また、いわゆる「ぶつ切りの強化」、小学校、中学校、高校でそれぞれがばらばらにそれぞれの時点で完成されたチームをつくって勝とうとすることは、ともすれば、選手の長期的な育成の観点からは、弊害になる場合があります。せっかくのポテンシャルを生かしきれずに終わってしまう選手が実にたくさんいます。本来であれば皆が同じビジョン、コンセプトのもとで子どもがチームを移ろうとも長期的視野に立った育成がなされていけばいいはずですし、私たちは常にそれを目指していますが、それはなかなか簡単なことではありません。そこに一貫指導の意義があります。

 私たちは、若年層の育成に長年にわたり積極的に取り組んできて、若年層であればあるほど、可能性を持ったタレントが実にたくさんいることに気づきました。その子どもたちに、是非とも良い環境と機会を与え、持ち合わせた可能性を開花させることができるようにすることが重要であると感じています。

 エリートに対する抵抗感のもうひとつには、選ばれなかった者の抱く差別感があると思います。

 子どもは時間をかけて、さまざまな刺激を受けて、個人によりさまざまなスピードで成長していきます。若年層でたとえ選ばれなかった子どもがいても、もちろんそれで終わりではありません。それがその子が将来大成しないという判定を下すことでは決してありません。その中からも将来の日本を担う人材が育つと考えています。また、若年層で選ばれた子どもが、将来を保証されたわけでもありません。このプログラムに選ばれたからといって、全員がプロになれるわけではありません。このことは、本人も周囲の大人も、必ず理解しておいていただきたいことです。だからこそ私たちは、サッカー以外の面でも世界に通用する人材となるようなプログラムを組み込んでいこうと考えています。

 また、プルアップの考え方で、一部のレベルを上げることによって、周囲のレベル、全体のレベルを引き上げることが可能であると考えています。それによって、ベースを含めたサッカー界全体の幅と厚みが広がり、それが単に直接的な意味だけではなく、世界トップ10を目指す日本代表の活躍につながる大きな力となることを、大いに期待しています。

 子どもが育っていく上で、それぞれ重要な若年層のある一時期において、良い環境と良い指導を与える機会をつくりたいと考えています。そのことを是非ともご理解いただきたいと、強く願っています。


---------------≪ 引用ここまで ≫--------------



 JFAでは、2006年4月よりJFAアカデミー福島を開校し、2校目の展開として2009年4月よりJFAアカデミー熊本宇城を開校しています。

 この中ではロジング(寄宿舎)形式という形で中高一貫教育を行っています。人生のはやい段階で高度な刺激を与えることで、可能性のある芽をさらに伸ばそうというのです。こうして育ったU-17があんなに強い理由の一端が分かりました。

 エリート教育とは、エリートであることがどういうことかを含めて高いレベルの刺激を与えて育成しつつ、高いレベルの自覚を求めるということです。

 そのためのスキルは長い時間をかけて多くの指導者のメガネにかなう者だけが選ばれてゆく。リーダーというものは突発的に選ばれるのではなく、長い時間とすぐれた眼力によって選ばれるものだというのは、今日の日本を見ると示唆に富んでいるように思います。

    ※     ※     ※     ※     ※

 今日釧路市は、管内の厚岸町との間で定住自立圏形成のための協定を締結しました。これからは互いの役割を自覚しつつ、効率的で活力ある地域づくりに向けて協力してゆこうというのです。

 釧路市は昨年12月に定住自立圏構想における中心都市を宣言しました。

 地域の中ではエリートである自治体としての、高い能力と強い自覚がますます求められることになります。

コメント (2)
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